研究課題/領域番号 |
10143204
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
長谷川 博 茨城大学, 理学部, 助教授 (70282283)
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研究分担者 |
玉城 和宏 茨城大学, 理学部, 助教授 (70007813)
坂田 文彦 茨城大学, 理学部, 教授 (50013438)
泰中 啓一 茨城大学, 理学部, 助教授 (30142227)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | カオス / 複雑系 / 時系列データ解析 / 非平衡熱・統計力学 / 繰り込み群 / ARモデル / 熱力学ポテンシャル / 1 / f雑音 |
研究概要 |
観測データから、見出す法則とは、有効理論であって、法則発見は、有効理論発見であるという立場に立って、時系列データ解析からの数理モデルにたいする、新しい理解や解釈の導入や、繰り込み理論を基にした数理モデルの正当化を試みた。 (1) 数理モデルの熱力学的解釈:時系列データ解析によって、求められた数理モデル(例えば、ARタイプモデルやカオス写像モデル)を、熱力学として見直し、そのモデルの物理的意味を熱力学的な描像から理解した。 Langevin方程式にしたがう系の熱力学が、関本・佐々によって導出され、熱力学の第1法則、非準静的過程に伴う過剰発熱等が議論された。我々は、この論文で、関本・佐々理論を、簡単なカオス系やARタイプモデルに拡張した。この拡張で、重要な点は、従来の熱の概念に固執しなくても、よくなった点である。例えば、経済時系列分析のARタイプのモデルに応用すれば、熱流はマネー・フローと解釈される。系の外部から仕事(パラメータ・コントロール、公定歩合の変更)をしてやるとき、準静的に行うときと比較すると、非準静的に行うときは、過剰発熱(マネー・ロス)がある。現在は、まだ初歩的な段階ではあるが、熱力学ポテンシャル、自由エネルギー、熱効率、相転移などの言葉で、時系列解析の数理モデルを見直すことは、時系列解析からの、新しい概念の創造につながると期待している。 (2) 1/fノイズの安定性とフラクタル構造:時空間の自己相似性(フラクタルと1/fノイズが、ミクロ・レベルからのノイズの効果によって、関連することが、明らかになってきた。実際、簡単なモデルでは空間の自己相似性(フラクタル)とミクロ・スケールのノイズの協同効果によって、時間方向の自己相似性1/fノイズが現われることが、示された。
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