研究概要 |
本研究では,まず,スターアルゴリズム,バージョン空間法,決定木学習(ID3,C4.5),遺伝的アルゴリズムに基づく分類器学習,Boosting & Baggingなどの帰納学習アルゴリズムを分析し,帰納メソッド群を「データセット生成法」「分類器集合生成法」「データセットと分類器集合の評価法」「データセット更新法」「分類器集合更新法」の5つのグループに分けた後に,帰納学習メソッドの仕様記述スキーマを決定して,帰納学習メソッドの体系(プロセスオントロジー)を構築した.次に,メソッドの操作対象物(情報)に対しても,同様に仕様記述スキーマを考察した後,その体系(オブジェクトオントロジー)を構築した.このようにして,2つのオントロジーを構築した後,帰納アプリケーションの初期仕様を構築するフェーズ(コンストラクション),所与のデータセットを使って初期仕様を具象化するフェーズ(インスタンシエーション),具象化された仕様をプログラムライブラリーを使用して実行可能コードに変換するフェーズ(コンパイル),実行コードがユーザが与えた精度を満足するかどうかを判定するフェーズ(テスト),精度を満足しない時,初期仕様を変更(その後,再度インスタンシエーションから処理を繰り返す)するフェーズ(リファインメント)という5つのフェーズにより,帰納アプリケーションを自動合成するシステムCAMLETを試作した.さらに,ML性能評価のために広く使われているUCI MLリポジトリーを使用して,CAMLETの性能を評価したが,帰納学習メソッドの組合せレベルで,従来とは異なった新しい帰納アプリケーションを自動生成するととちに,過去の代表的な帰納学習システムと比較して高い性能を示すことが確認できた.
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