研究概要 |
本年度は大規模データベースからの知識発見という観点に立ち、高速に(データ数nに対してO(n^3)程度の規模で)複数の人間の間に存在する概念の相違を検出するシステム構築のために、従来から我々が提案してきた手法の計算量解析を行った.一般的に人々は異なった視点や観点を持つため,たとえ同じ事象に対しても異なる概念を持つ可能性がある.概念における相違が存在する場合には同じ事象に対してでも意見を交換して相互理解を深めることが不可能となるため,概念の相違を除くことは背景知識が異なる人々がグループとして共同作業を行う場合に特に重要となる.ユーザーの知識を具体的な決定木として構造化し,概念の差異を決定木間の構造における差異として検出を行うという我々の枠組みにおいて,決定木の生成手法として情報量基準に基づくID3を利用する手法と,「多様な構造化」というコンセプトに基づく遺伝アルゴリズムを利用する手法を提案してきた.遺伝アルゴリズムを利用する手法により概念相違検出精度の向上は達成したものの,非常に長い計算時間を必要とするという新たな問題も明らかになった,このため,大規模データベースからの知識発見という観点に立ち、高速に(データ数nに対してO(n^3)程度の規模で)複数の人間の間に存在する概念の相違を検出するシステム構築のために、遺伝プログラミングを利用した手法の計算量解析を行い,概念相違検出の高速化のための基礎検討を行った.
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