研究課題/領域番号 |
10144104
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岩坂 泰信 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (20022709)
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研究分担者 |
塩原 匡貴 国立極地研究所, 南極圏環境モニタリングセンター, 助教授 (60291887)
植松 光夫 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (60203478)
植田 洋匡 京都大学, 防災研究所, 教授 (70026186)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
128,400千円 (直接経費: 128,400千円)
2000年度: 34,300千円 (直接経費: 34,300千円)
1999年度: 58,800千円 (直接経費: 58,800千円)
1998年度: 35,300千円 (直接経費: 35,300千円)
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キーワード | アジア大陸エアロゾル / 炭素質粒子 / 山岳観測 / アジア太平洋域 / 大陸起源エアロゾル / 自由対流圏エアロゾル / 長距離輸送 / 有機物エアロゾル / 大気エアロゾル / ライダー観測 / 海起源有機エアロゾル / アジアエアロゾル拡散 |
研究概要 |
本研究は、アジア太平洋域のエアロゾルの動態とその放射への影響を明らかにすることを大きな目標とした。日本における地理的特徴を生かしてこれらの目標を達成する手段として、これまでに行なわれてきたライダー観測(主として名古屋)、航空機観測(主として日本中部地方)、船舶をプラットフォームにした観測(主として日本海および北部太平洋)および気球観測(主として中国大陸内)をより発展させることに加えて、山岳地帯でのモニタリングを試みた。山岳での観測においては、乗鞍岳に長期の総合的な観測に耐えうる観測用のコンテナーを設置し、立山においては観測季節ごとにポータブルな観測装備を持ち込んだ。また、エアロゾルの動態を理解する手段としてアジア地域に特徴的なエアロゾルである鉱物エアロゾル(黄砂)の「発生、輸送、輸送途中の変質、沈着」などを総合的に組み入れた統合モデルの構築とそれを用いたプロセス検証実験が実施された。また、あわせて中国(主としてチベット地域)および韓国(主として済州島)でのエアロゾルおよび放射観測が実施された。 これらの観測研究では、大陸起源の大気が日本列および北西太平洋地域に強い影響を与えていることを示している。この事の概括的なイメージはすでに過去の研究によって指摘されてきたが今回の一連の研究によって、東アジア地域のエアロゾルの放射影響および物質循環における役割を格段に明確な形で理解できるようになった。いかに挙げるものは、なかでも重要と考えられる事実である。 1、種々の物質についてマスフローが定量的に議論できる様になった。 2、炭素質粒子の大気化学的な面での知見が得られた。 3、前線の通過に伴う大陸起源物質の移動・拡散が時にかなり高度の高い大気塊の下降現象を伴う様子が詳細に得られた。 4、海霧がエアロゾル物質の輸送変質に大きな役割を果たしている可能性がある。
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