研究課題/領域番号 |
10145202
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
後藤 順一 東北大学, 薬学部, 教授 (80006337)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 非競合型イムノアッセイ / 抗イディオタイプ抗体 / モノクローナル抗体 / ハプテン / 胆汁酸代謝物 / 抗メタタイプ抗体 / 人工抗体 |
研究概要 |
低分子生理活性分子に対する抗ハブテン抗体は、抗体調製時の感作抗原がキャリアープロテインとの複合体であるため、親和定数(Ka)の最大値が10^<12>M^<-1>と低く、分子認識能に乏しい。そこで、まずモノクローナル「抗メタタイプ抗体」及び「抗イディオタイプ抗体」を作製するとともに、遺伝子レベルで抗体分子の相補性決定領域(CDR)のアミノ酸配列をランダムに変換し、生体のレパートリーにはみられない一次構造を有する「人工抗体(超抗体)」のライブラリーを構築し、これによりハプテン抗原に対してきわめて高い特異性と親和力を持つ超抗体の作製を試みた。 抗メタタイプ及び抗イディオタイプ抗体の創製 抗イディオタイプ抗体と抗メタタイプ抗体を同時に調製するために、そのパラトープをハプテンでアフィニティーラベルした第一抗体で免疫するのが効果的である。そこで、先に調製したモノクローナル抗ウルソデオキシコール酸7-N-アセチルグルコサミニド(UDCA7-NAG)抗体にUDCA7-NAG N-succinimidyl esterを反応させたのちヘモシアニンとの結合体としてA/Jマウスに反復投与した。その脾細胞をP3/NS1/1-Ag4-1ミエローマ細胞と融合し、HAT選択培養を経て6種の抗イディオタイプ抗体産生株を樹立した。その結果、2種(Ab2一44、Ab2-45)は第一抗体のパラトープを認識するβタイプ抗イディオタイプ抗体であり、他の4種は、フレームワーク領域を認識するαタイプ抗体と推定された。そこで、αタイプ抗体Ab2-19とβタイプ抗体Ab2-45を組み合わせて、標識ストレプトアビジンを用いる非競合型idiometric assayを試みたところ、高感度な用量作用曲線(検出限界:500fg)を得ることができた。 超抗体の創製 モノクローナル抗11-デオキシコルチゾール(S)抗体産生株から全RNAを分離し、RT-PCR法によりV_H及びV_LドメインのDNAを増幅した。両者をPCRスプライシングにより連結すると同時にリンカー配列(Gly_4Ser)_3を導入しscF_V遺伝子(5'V_H-linker-V_L3')を構築した。これをファージディスプレイベクター(pEXmide5)に挿入したのち大腸菌XL1-Blue株に導入し、ヘルパーファージを感染させてファージ抗体を調製した。次いでこのクローン化したscF_V遺伝子をPCRにより増幅するとともに、その3'末端にHis6 tag及びオーカーコドンを付加した。これをpEXmide5ベクターに挿入し、大腸菌XL1-Blue株に発現させて、可溶型scF_Vをペリプラズム抽出物として得た。本scF_Vの親和力、特異性をトリチウム標識Sを用いるRIAにより検討したところ、対応する天然型モノクローナル抗S抗体(MAb)の性質を十分に保持しており、しかも親和定数が1.3x10^<10>M^<-1>と極めて高いことが判明した。
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