研究課題/領域番号 |
10145204
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮原 隆 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (20292302)
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研究分担者 |
栗原 和枝 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (50252250)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 表面力 / 表面力装置(SFA) / 原子間力顕微鏡(AFM) / 分子認識 / ラングミュアーブロジェット膜 / 核酸塩基 / 蛋白質 / RNAポリメラーゼ |
研究概要 |
[A] 我々はこれまで、両親媒性分子(11-(3-(X)propanoyl)oxy)undecyl-hexadecyl-dimethylammoniumbromide(1A:X=9-adeninyl,1T:X=1-thyminyl)を用いてLangmuir-Brodgett(LB)法により核酸塩基修飾表面を調製し、その表面間に作用する力を表面力装置(SFA)を用いて評価してきた。しかし、1では2本鎖のうち核酸塩基鎖と炭化水素鎖がほぼ同じであるため、炭化水素鎖の寄与が大きい可能性があった。 本研究では、新たに、核酸塩基鎖の方が長い両親媒性分子(19-(X)-10-oxanonadecyl)-hexadecyl-dimethyl-ammonium bromide(2)を合成した。2膜間のpH5.6における表面力は、2A-2A膜間ではアデニンのプロトン化のため電気二重層斥力が観察されたのに対し、2T-2T膜間では、疎水性の長距離引力が観察された。2A-2T膜間でも、長距離から引力が観察されたが、これは疎水性の長距離引力と電気二重層引力が作用したためと考えられる。現在、他のpHでの測定を続けている。 [B] 単分子膜上に並べた金属配位子にポリヒスチジン修飾タンパク質(転写時に相互作用が期待されるRNAポリメラーゼSigma Aサブユニットと転写制御因子Spo OA)を金属イオンを介して一定の配向で固定し、コロイドプローブ原子間力顕微鏡を用いた表面力測定によって、タンパク質問に働く力を直接測定した。 同種タンパク質問には、表面間距離10nmより長距離側ではpH依存性の電気二重層斥力が観察された。このpH依存性が各々のタンパク質の等電点がら予想されるものと一致していることより、表面に固定したタンパク質の荷電特性が水溶液中のものとほぼ同じであることが明らかになった。Sigma A-SpoOA間の場合、pH 7以下の相互作用は、表面の荷電から予想される力と大きく異なり、付加的な引力が作用した。また、同種タンパク質問と比較して、Sigma A-SpoOA間にはより強い接着力が観察された。タンパク質問の特異的な引力を、直接測定から示した初めての例である。
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