研究課題/領域番号 |
10145227
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
乾 賢一 京都大学, 医学研究科, 教授 (70034030)
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研究分担者 |
増田 智先 京都大学, 医学研究科, 助手 (90303825)
桂 敏也 京都大学, 医学研究科, 助手 (10283615)
奥田 真弘 京都大学, 医学研究科, 助手 (70252426)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ペプチドトランスポータ / 薬物送達システム / アシクロビル / バラシクロビル / キメラ / ヒスチジン残基 / 有機アニオントランスポータ / プロテインキナーゼC |
研究概要 |
薬物トランスポータの分子認識能を利用した薬物分子設計と、それに基づく新規薬物送達システムの開発を目的とし、既にクローニングしたペプチドトランスポータ(PEPT1及びPEPT2)の基質認識特性を明らかにした。また、薬物送達システムに応用可能な新規薬物トランスポータの検索とそれに基づく構造・機能解析も併せて実施した。 1. ペプチドトランスポータの基質認識特性に関する解析:培養上皮細胞に遺伝子を導入することにより作成したPEPT1及びPEPT2の安定発現細胞を用い、抗ウイルス薬アシクロビルのL-バリン修飾体バラシクロビルの取り込み特性解析、及びペプチドトランスポータの基質認識特性に関わる薬物側、生体側要因を解析した。その結果、抗ウイルス薬アシクロビルにL-バリンをエステル結合させた修飾体バラシクロビルの取り込みは、PEPT1及びPEPT2安定発現細胞において顕著に促進され、アシクロビルの消化管吸収改善にL-バリンエステル化が有用であることが強く示唆された。また、PEPT1及びPEPT2のキメラ構築に基づく機能解析を行ったところ、ペプチドトランスポータのN末領域が基質認識に重要な役割を果たしていることが明らかになった。さらに、アミノ酸修飾試薬の輸送阻害効果に基づき、ペプチドトランスポータの基質認識機構を解析したところ、基質認識領域に存在するヒスチジン残基が、基質結合部位として機能している可能性が強く示唆された。 2. 薬物送達システムに応用可能な新規薬物トランスポータ群の検索:ラット腎cDNAライブラリーから尿細管有機アニオントランスポータOAT1のcDNAクローニングに成功した。アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用い機能解析を進めたところ、OAT1は多様なアニオン性薬物を認識する有機アニオントランスポータであること、及びプロテインキナーゼCによる活性調節を受けることが明らかになった。
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