研究課題/領域番号 |
10145257
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
関口 清俊 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (50187845)
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研究分担者 |
福田 友彦 日本学術振興会, 特別研究員
眞鍋 理一郎 大阪府立母子保健総合医療センター研究所, 研究員 (30280837)
李 紹良 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (40252720)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 細胞外マトリックス / 自己組織化 / フィブロネクチン / ラミニン / 基底膜 / 組織工学 |
研究概要 |
様々な機能蛋白質を細胞表層の細胞外マトリックスにターゲティングため、フィブロネクチンの自己会合ドメインを利用した新しい方法の開発を行った。具体的には、ターゲティングする蛋白質として細胞増殖因子TGFα(transforming growth factor α)を選び、これをフィブロネタチンの自己会合に必要なN末端70kD領域とC末端37kD領域の間に挿入したキメラ蛋白質(以下TGF-miniFNと記載)を遺伝子工学の手法を用いて作成した。キメラ蛋白質は組換え遺伝子を導入したハムスター由来CHO細胞の培養上清より調製した。得られたTGF-miniFNは、細胞表面のフィブロネタチンマトリックスへの自己組織化能を保持しているとともに、TGFαのもつ細胞増殖刺激活性、細胞遊走促進活性、細胞形質転換活性を保持していた。さらにTGF-miniFNとインタクトなTGFαとの生理活性を比較検討した結果、キメラ蛋白質はインタクトなTGFαに比べ、低濃度での細胞形質転換活性が有意に亢進していることを見いだした。これはキメラ蛋白質が細胞表層に不溶化・濃縮された結果と考えられる。細胞表層組織化型の増殖因子の有用性をさらに検討するため、家兎角膜の創傷治癒モデルを用いて両者の治癒促進活性を比較検討した。その結果、1日2回、1μMのキメラ蛋白質あるいはインタクトTGFαの点眼を行った場合、インタクトTGFαではほとんど治癒促進が認められなかったが、キメラ蛋白質を点眼した場合は有意な治癒の促進が観察された。以上の結果は、細胞外マトリックス自己組織化型の増殖因子が創傷の治癒促進に有用であることを示している。
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