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パイ共役炭化水素における炭素-炭素共有結合とイオン結合のスイッチングの精密制御

研究課題

研究課題/領域番号 10146226
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

北川 敏一  京都大学, 工学研究科, 助教授 (20183791)

研究分担者 竹内 賢一  京都大学, 工学研究科, 教授 (50026358)
研究期間 (年度) 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードπ共役炭化水素 / フラーレン / 炭素陽イオン / 炭素陰イオン / 炭素-炭素共有結合 / ルイス塩基的溶媒和 / イオン解離 / 反応速度
研究概要

π共役炭化水素のイオン的なC-C結合解離によるカルボカチオン、カルボアニオン生成の熱力学的および速度論的挙動を検討し、以下の新しい知見を得た。
1. 溶媒とカルボカチオンとのルイス酸塩基的相互作用によるイオン解離の促進
t-BuC_<60>^-と置換シクロプロペニリウムイオンから、フラーレンC_<60>の1,4-付加体を定量的かつ位置選択的に合成した。この炭化水素は、THFではイオン解離しないが、DMSOを添加すると部分的に解離して、t-BuC_<60>^-に特有の近赤外吸収を示した。解離自由エネルギーはDMSO含有量の増加にともなって低下したが、この効果はDMSOのモル分率が5%以下の領域で特に顕著であった。DMSOが大きなドナー数をもつことから判断して、カチオンに対するルイス塩基的な溶媒和がイオン解離促進の主な原因であると結論した。
2. イオン解離の速度論パラメーター
炭化水素のC-C結合解離によるπ共役イオン対発生の精密な反応速度測定は、これまで報告例がなかった。
本研究では、最近我々が合成したイオン解離性炭化水素を用いて、DMSO-THF混合溶媒中におけるC-C結合のイオン解離速度を測定した。この解離は数kcal/molの低い解離自由エネルギーを示すことから、活性化自由エネルギーも小さく、解離は極めて迅速に起こると推測された。しかし反応速度測定の結果この反応は意外に遅く(室温で半減期10秒程度)、活性化自由エネルギーは約19kcal/molと、かなり大きいことが判明した。この結果から、検討した分子のイオン解離はは、炭素ー炭素結合が最初ラジカル解離的に伸長し、結合がかなり伸びた時点で初めてイオン的な電子配置に移行することが示唆された。

報告書

(1件)
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 北川敏一、田中 徹、村北栄之、竹内賢一: "Reversible Carbon-Carbon Bond Heterolysis of a Hydrocarbon Derived from tert-Butylfulleride Ion and Tricyclopropylcyclopropenylium Ion" Journal of Organic Chemistry. 64巻1号. 2-3 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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