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トロボノイドのもつ水素結合能と錯体形成能を利用した分子集合体の構築

研究課題

研究課題/領域番号 10146240
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
研究機関九州大学

研究代表者

森 章  九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (70038602)

研究期間 (年度) 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードトロボノイド金属液晶 / スメクチックB相 / スメクチックG相 / 温度可変粉末X線回折
研究概要

トロポンやトロポロンで代表されるトロポノイドの化学はわが国で誕生し,発展した研究分野である。トロポノイドの構造上の特徴の1つにカルボニル基の存在である。X線結晶構造解析によると,トロポロンはほとんど平面な2量体構造を形成している。一方,トロポロンの銅錯体は結合交替を示し,いくぶん平面からずれている。
本研究ではトロポロンのカルボニル基に着目し,トロポノイドの水素結合能や錯体系性能を生かして,直線型分子系, 「へ」の字型分子系,三叉型分子系など集合体を構築することを目的としている。直線型分子系としては,5-アルコキシトロポロンの金属錯体を合成した。亜鉛錯体は非液晶であったが,銅錯体は高次のスメクチック相を示した。銅錯体がスメクチックB相とスメクチックG相を発現することは,粉末X線回折と組織観察から行った。
銅錯体がスメクチックB相を示す200℃の粉末X線回折から,低角側に5本の鋭い反射が観測でき,層構造を形成していることがわかる。層間隔(d)は29.2Åと求まり,計算から得られた分子長(51Å)よりかなり短かった。このことから,銅錯体のスメクチックB相ではアルキル鎖が互いに入り組んだ構造をとっていると考えられる。
スメクチックG相を発現する180℃では,6本の鋭い反射が観測され,層間隔が28.4Åと求まった。従って,銅錯体のスメクチックG相では,約13.4°程傾いている。一方,亜鉛錯体では,結晶相しか示さなかった。銅錯体と亜鉛錯体の物性の違いは銅錯体が平面4配位構造をとり,亜鉛錯体はテトラヘドラル構造をとるためと考えられる。現在,他の錯体の合成を行っている。

報告書

(1件)
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Akira Mori: "Preparation of Troponoid Liquid Crystals with a Flexible Oxymethylene Linking Unit" Journal of Materials Chemistry,. 8. 595-597 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Akira Mori et al.: "Sunthesis and Properties of Bis(5-alkoxytropolonato)Metallomesogens" Chemistry Letters. 601-602 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Akira Mori et al.: "New Twin-Type Troponoid Liquid Crystals with a Semetic C Phase" Chemistry Letters. 617-618 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Akira Mori et al.: "Mesogenic Properties of Bis(5-alkoxytropolonato)metals" Molecular Crystals and Liquid Crystals. 印刷中. (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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