研究課題/領域番号 |
10146245
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
工位 武治 大阪市立大学, 理学部, 教授 (10117955)
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研究分担者 |
塩見 大輔 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (40260799)
佐藤 和信 大阪市立大学, 理学部, 講師 (90264796)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 分子磁性 / 有機磁性 / 分子スピニクス / パルスESR / ニューテーション分光 / 高スピン分子 / トポジー的対称性 |
研究概要 |
本研究は、表記の研究課題の遂行を通じて、重点領域研究「特異な非局在電子系の創出」AO2班の研究全般を支援することを目的に計画された。(A)へテロ環共役系高スピン分子の分子設計と合成の課題では、共役6員環に窒素核を導入した5重項メタフェニレンビスフェニルメチレン(1)とm,m'-ビフェニルプロトタイプ(2)のヘテロ共役系高スピン分子の前駆体である種々のポリジアゾ化合物を合成した。(1)については、前駆体分子を剛体溶媒中極低温にて光照射し、目的の基底5重項ボリカルベンを発生し、微細構造ESRスペクトル(Xバンド)を全解析した。窒素核導入位置のトポロジーにより、開殻系共役電子ネットワークは著しい変調を受け、高スピン状態と低スピン状態の反転が生じていることが分かった。解析によって得られた微細構造定数から、基底状態のスピン構造と分子構造を明らかにし、擬C_2、対称構造をもつ5重項分子を初めて同定した。(1)について、窒素核サイトの直接カチオン化はまだ成功していない。(2)の合成は、最終段階に至っていない。 (B)任意高スピン状態のスピン直接同定を可能とする新磁気共鳴分光法/2次元電子スピンニュテーション分光法の開発の課題では、予想される様々の10個以上のケースの有機多スピン系について微細構造スペクトルを予想し、ニューテーション法の有効性を検討した。本年度は、実験的には、多価アニオン高スピンオリゴケトン系由来の複雑なスピン混在スペクトルについて、2次元スペクトルの解析とスペクトルシミュレーション法の結合をベースとする全面的な解析の手法を確立した。
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