研究課題/領域番号 |
10146249
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
杉本 豊成 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (30093256)
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研究分担者 |
植田 一正 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助手 (10275290)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ドナー / アクセプター / スピロ化合物 / 分子内電子移動 / 電気伝導性 / 磁性 |
研究概要 |
本研究では、2つのTTF分子や1つのTTF分子と1つの電子受容性の分子とがスピロ結合した化合物の合成をそれぞれ行い、それらの電気伝導・磁気的性質さらにはスイッチング機能について検討する。今回、テトラチアフルバレニルジチオ基とベンゼンジチオ基とがスピロ結合した化合物(1)と、ベンゼンジチオ基以外の他の置換基を有するTTFスピロ化合物の合成を試みている中で得られた、テトラチアフルバレノチオキンン-1、3-ジチオールメチド(2)との物理化学的性質および電気伝導・磁気的性質について明らかにした。ベンゼン/ヘキサンより再結晶して得られる(1)の微結晶は、(1)の1分子当たり1/4分子のベンゼンを含む。この微結晶の圧縮ペレットは、室温下で8.3×10^<-4>S・cm^<-1>の電気伝導度を示した。これは、これまでで最も高い室温電気伝導度を示した単一成分結晶の値に匹敵する。(1)が高い電気伝導度を示す原因として、電子供与性のテトラチアフルバレニルジチオ基から電子受容性基として働くベンゼンジチオ基への分子内電子移動が起こっているためと考えられるが、このことは固体ESR測定により確かめられた。ESRシグナル強度の温度依存より、電子移動の大きさは約0.2%と見積もられた。電子移動度をより増大し、室温電気伝導度をさらに向上させるために、ベシゼンジチオ基よりもより大きな電子受容能をもつ種々の置換基のTTFスピロ化合物の合成を試みたが、目的とする生成物は得られなかった。反応条件等を詳細に検討し、(1)以外のTTFスピロ化合物の合成について引続いて検討する。反応生成物の分離・同定を行ったところ、テトラリアフルバレノチオキノンメチド類が単離された。そこで、(2)について、その電子供与能、CuBr_2と1:1錯体、対アニオンとしてBF_4^-やCuCl_4^<2->をもつカチオンラジカル塩の合成を行い、それらの電気伝導・磁気的性質について検討した。
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