研究課題/領域番号 |
10147202
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 国立天文台 (2000-2001) 東京大学 (1998-1999) |
研究代表者 |
長谷川 哲夫 国立天文台, 電波天文学研究系, 教授 (50134630)
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研究分担者 |
野口 卓 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (90237826)
半田 利弘 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40202270)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
48,400千円 (直接経費: 48,400千円)
2001年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
2000年度: 16,900千円 (直接経費: 16,900千円)
1999年度: 18,500千円 (直接経費: 18,500千円)
1998年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | サブミリ波 / 星間分子 / マゼラン雲 / 星の誕生 / 銀河系 / 銀河中心 / 電波天文学 / 銀河 / 天の川銀河 / 星間物質 / 超伝導ミクサー |
研究概要 |
大マゼラン雲の観測データを詳細に解析し、その特徴を銀河系の分子雲と比較した。その結果、CO J=2-1/J=1-0輝線強度比が、銀河系円盤部ではおよそ0.6なのに対し、大マゼラン雲の巨大分子雲複合体では平均0.9程度と高いことが見いだされた。さらに、大規模星形成領域30Dorから南に連なる巨大な分子雲複合体は、比がほとんど1.0であることもわかった。この複合体は、その北端では非常に活発な星形成が進行しているが、南側は顕著な星形成は見られない。それにもかかわらず、分子雲複合体の全体にわたり高い比が観測されたことは、それが内部または近傍の星形成領域による励起に原因があるのではなく、分子雲が本来持っている性質の反映であることを意味している。すなわち、大マゼラン雲の巨大分子雲は、銀河系円盤部のそれに比べて、ガス圧力(温度・密度の積)が高いことが示唆される。 銀河系内で分子ガスが類似の性質を持つ領域として、銀河系中心領域の研究も進めた。この領域には多数の高速ガスが見られるが、その一つは明らかな膨張シェルであることを見いだした。そのエネルギーは、数個の超新星残骸に匹敵し、その膨張がガスの圧力を高めていると考えられる。銀河系中心領域の分子ガスの3次元的分布を明らかにする手法を開発し、銀河系中心領域には分子ガスのバーが存在することを明らかにした。このバー構造の端には、最近銀河中心領域に落下してきたと思われる分子ガスが存在する。その圧力は、銀河系中心の分子ガスの平均に比べて低く、まだその環境に物理状態が反応していない。
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