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星間ガスの加熱・冷却過程を考慮した星間雲の収縮とその分裂過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10147205
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関新潟大学

研究代表者

中村 文隆  新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (20291354)

研究期間 (年度) 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード星間ガス / 数値シミュレーション / 自己重力 / 星形成
研究概要

本研究の目的は、星間ガスの性質(重元素量など)の違う銀河(マゼラン雲と我々の銀河系)の星形成過程を数値シミュレーションを用いて理論的に明らかにすることである。特に、星間雲の分裂過程を調べ、星形成の初期段階の物理プロセスを調べた。
星間ガスの加熱・冷却過程はガスの化学組成(重元素量など)に依存するので、銀河の進化とともに変化してきたと考えられる。したがって、星の形成過程も大きく変化してきたと期待される。しかし、これまでの研究のほとんどが、簡単のため、星間ガスの等温モデルを用いて行なわれてきた。等温モデルでは、ガスの化学進化による熱的性質の変化が考慮されない。そのため、現実に起こる分裂の長さスケールなどを直接導出することは難しい。そこで本研究では、星間ガスの力学進化・熱的進化・化学進化を考慮し、星間雲の収縮・分裂過程を総合的に調べた。特に、重元素量や星間雲周辺の環境(UV放射など)の変化が星形成に与える影響を重点的に調べた。
本年度の研究では、以下のことが明らかとなった。
重元素が含まれない原始ガス雲では、重力収縮過程に太陽質量の100倍程度の質量を持つ高密度コアに分裂しやすい。この高密度コアは、比較的大きな密度揺らぎが存在するときには、太陽質量程度の質量を持つ高密度コアに分裂する。この計算から、宇宙初期に形成された星は、大質量星であったことが予想された。
一方、我々の銀河系の星間ガス雲では、重元素の冷却が有効的に効き、分裂片の質量は、太陽質量の十分の一程度と小さくなることが分かった。この分裂片の質量は、マゼラン雲のように重元素量が太陽近傍の十分の一程度の時には、数倍大きくなった。さらに外部のUVが強い場合には、低質量のガス雲は、分裂が妨げられるが、質量の大きなガス雲は、ガス雲表面でUVが遮蔽されるので、内部の分裂には大きく影響しない。

報告書

(1件)
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Fumitaka Nakamura and Masayuki Umemura: "On the Mass of Population III Stars" The Astrophysical Journal. 515(印刷中). (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Fumitaka Nakamura 他3名: "Gravitational Collapse of Isothermal Magnetiged Clouds:" The Astrophysical Journal. 510. 274-290 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Fumitaka Nakamura: "What determines the Typical Mass of Dense Cores?" The Astrophysical Journal Letters. 507. L165-L169 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Fumitaka Nakamura: "Formation of a Dense Filamentary Core and its Fragmentation" Numerical Astrophysics 1998. (印刷中). (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Fumitaka Nakamura and Masayuki Umemura: "Collapse and Fragmentation of Filamentary Primordial Clouds due to H_2 cooling" Cosmic Chemical Evolution. (印刷中). (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2018-03-28  

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