研究課題/領域番号 |
10148205
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西澤 松彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20273592)
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研究分担者 |
内田 勇 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50005302)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | プロチウム / ニッケル水素二次電池 / 水素吸蔵合金 / マイクロ電極 / 拡散係数 |
研究概要 |
プロチウム固溶機能を有する各種合金材料への電気化学的なプロチウム挿・脱入反応を、マイクロ電極を用いたその場(in-situ)測定によって精密に評価し、水素2次電池用新規材料の探索と高性能化を目指した。研究の特色はマイクロ電極を用いる新規な電気化学システムにあり、合金粒子1個を測定対象とすることを可能とした。これにより、高分子結着剤や導電助剤が混在しない、合金粒子自体の電気化学挙動を精密に評価することが出来た。 LaNi_5、MmNi_5、Mg_2NiおよびアモルファスMgNiについて、直径50μm以下の球状粒子を測定対象とし10μm径のカーボンファイバーをキャピラリー化したガラス管に封入て作製したカーボンマイクロ電極をX-Y-Zマイクロマニュピュレーターで標的粒子に接触させた。サイクリックボルタンメトリーにおいては、従来のコンポジット膜では分離不可能な複数の同時進行反応を明瞭に観測できた。それぞれの反応に対応した電流ピークの電位掃引速度依存性、サイクル依存性などを調べ、速度論的に解析した。一方、ポテンシャルステップを与えた際の過渡電流応答から化学拡散係数等の速度論的パラメータの導出も試みた。LaNi_5粒子およびMmNi_5粒子についてプロチウム拡散係数を決定し、電気化学的ではない精密な方法で測定された値と一致する結果を得た。また、分極曲線や充放電曲線についても複合膜で得られる結果よりも明瞭であり、精密な材料評価が出来た。以上は電気化学的な挙動が単一粒子測定によって精密に行えることを示す結果であるが、それに加えて、粒子の形状を顕微鏡で直接観察出来ることも重要な利点である。結果として、充放電試験中に粒子が分裂することを観察し、電気化学応答の変化と対応づけて議論することを可能にした。
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