研究課題/領域番号 |
10148208
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
水林 博 筑波大学, 物質工学系, 教授 (40114136)
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研究分担者 |
谷本 久典 筑波大学, 物質工学系, 講師 (70222122)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 非晶質合金 / プロチウム / 格子歪 / 異方性 / スネークピーク / ゴルスキー効果 / 構造緩和 / 水素貯蔵合金 / 防振合金 |
研究概要 |
従来の水素貯蔵合金は水素化物の生成・分解を利用しており、微粉化が問題の一つであるが、非晶質合金では固溶状態で多量のプロチウムを吸蔵できる利点がある。また、非晶質合金は力学的強度や耐環境性が高く、多量に固溶しているプロチウムの擬弾性を機能化すれば、用途の広い高減衰材料の開発も可能である。これらの機能の源は非晶質構造にあるが、非晶質合金は構造緩和及び結晶化によりその物性が大きく変化する欠点があり、構造自体の知見も限られている。本研究はプロチウムを探索子として用いると共に、異常弾性特性および異常通電効果を利用して、基礎的知見を追究する。本年度は、X線回折(XRD)、試料長さ、内部摩擦、ゴルスキー効果測定を進め以下の結果を得た。(1)異常弾性特性および異常通電効果の発現原因は、内在するであろう密度揺らぎに起因する可能性が高い。(2)プロチウムを添加したa-Cu_<50>Zr_<50>ではXRDで評価したZr原子周りを主にした平均原子間距離の変化はプロチウム濃度に対して鋸歯状変化を示す。(3)長さ測定から評価した全原子についての平均原子間距離の変化は前記のものより小さい。(4)プロチウム周りの歪場の異方性に起因する内部摩擦ピーク(スネークピーク)は広い温度域に亘り観測され、かつ、緩和強度が大きい。(5)プロチウムの長距離拡散に起因する擬弾性緩和(ゴルスキー効果)の緩和強度は、長さ測定から評価した全原子についての平均原子間距離の変化から算出した緩和強度より遥かに大きい。以上のことは、a-Cu_<50>Zr_<50>ではプロチウム周りの歪場の異方性が高く、局所歪が所定の値を越すと構造緩和が誘起されて歪エネルギーが低下することを示唆する。すなわち、吸蔵の点からは、プロチウム周りの歪場の異方性は低い方が良く、逆に、高減衰材料の開発ではプロチウム周りの歪場の異方性は高い方が良い。歪場の大きさおよび異方性の物理的意味の追究は今後の課題である。
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