研究課題/領域番号 |
10148226
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
須田 精二郎 工学院大学, 工学部, 教授 (00100313)
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研究分担者 |
劉 賓虹 工学院大学, 工学部, 客員研究員
高 学平 工学院大学, 工学部, 客員研究員
李 洲鵬 工学院大学, 工学部, 客員研究員
内田 雅樹 工学院大学, 工学部, 講師 (10100273)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | プロチウム / 金属水素化物 / エネルギー変換 / サブナノ構造 / 表面構造 |
研究概要 |
本研究は、表面近傍におけるプロチウム転換阻害要因の解明し、プロチウム誘起機能表面設計に求められる新たなフッ化手法の開発を目的としている。 ZrNi_2系のF種であるZr_<0.9>Ti_<0.1>V_<0.2>Mn_<0.6>Co_<0.1>Ni_<1.1>を選定し、高充/放電電流密度下の充/放電サイクル中に生じる電気容量(放電容量)の低下原因の解明を行った。XPS、EPMA、XRDなどによる表面解析とICPSによる溶出金属の分析により、AB_x(x=2.0)で示されるx値の粒子半径方向に生じる成分および組成分布変化を1,000回を越える充/放電サイクル過程で追跡した。極表面上には、フッ化処理によって還元されたNi以外の金属種の分布は少ないものの、Bサイドの構成比率はx=2.0を越えて高い値を示す。この値は、サイクルを重ねるごとに表面近傍の狭い範囲でx=2.0を遥かに越える値(x=2〜9)を示しながら粒子内部に向けて移動する。また、粒子内部に向かうにつれて急激に減少し、x=2.0以下の領域に入ることが明らかになた。電気容量の急激な低下原因が、(1)電極構造体と合金粒子層の乖離による導電性とプロチウム誘起機能の低下、(2)比表面積増大と新鮮表面の出現によるプロチウム転換阻害物の形成などよるが、サイクル中に生じる表面近傍における組成変化の影響を見逃すことはできない。NiFを加えてフッ化処理した200回程度のサイクル後の電極からの電解液中に溶出した金属種のICPS分析結果から、100サイクル程度までの初期段階には見られないサイクル途上での溶出現象は、初期活性化特性と導電性の向上を目指したフッ化手法の効果を越えた特有な現象であり、別の手法の開発が求められることが判明したが、新たな溶出低減法を講じた事例による700サイクル後の分析結果から、全金属種の溶出が防止できることも明らかになりつつある。
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