研究課題/領域番号 |
10148227
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
吉村 雅満 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40220743)
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研究分担者 |
石川 憲一 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 研究員 (90288556)
上田 一之 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029212)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 水素 / 水素吸蔵合金 / 顕微鏡 / 電子励起脱離 / TOF-ESD / 表面 |
研究概要 |
最近、金属や半導体の表面に存在するプロチウムの挙動を知るためにプロチウムの可視化が要求されている。われわれは、電子励起イオン脱離法を応用して水素やプロチウムを高感度に検出できる装置を開発し、これを高分解能にすることで走査型水素検出顕微鏡として機能するようにして、固体表面上のプロチウムの存在を2次元分布として描き出すことに成功した。現在の面分解能は1ミクロンであるが、水素吸蔵合金などのグレインサイズでのプロチウムの挙動を観察するにはもう1桁の分解能向上が望まれる。本年度は本装置の性能向上に傾注して高分解能化、高感度化を目指し以下に示す二、三の応用を試みた。 1) ビーム径0.3ミクロンで固体表面上のプロチウムを連続ビームで脱離させ、その部分が正確に面分析されるかどうかで、分解能チェックができることを利用してシリコン表面に2原子層のプロチウムを吸着させ上記の実験を行い性能を立証した。シリコン酸化膜で成形されたline and spaceを用いて分解能チェックと試料面の凹凸の影響を検討し、凹凸の激しい試料では試料バイアスを低くして影響を小さくできることを見いだした。 2) 電子銃の性能向上のために電界放出型の電子銃のみでなくビーム電流を確保できるようにLaB6フィラメントを用いた電子銃の開発に取り組んだ。 3) 水素化物を含む鋼の表面のプロチウム濃度分布分析で、局在するプロチウムの検出に成功した。このことは材料学的に大きな意味を持つので系統的な研究が必要である。 4) 走査トンネル顕微鏡によるシリコン上に成長するニッケル薄膜結晶のナノ構造の観察。2nmのNi原子蒸着後アニーリング温度を徐々に高くしてシリサイド形成過程を原子レベルの分解能で観察し、シリコン表面の未結合手を予めプロチウムで終端化したものとしていないものとの違いを観察した。プロチウム終端化面には平坦で一様なシリサイド結晶が成長した。
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