研究課題/領域番号 |
10149105
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山口 兆 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80029537)
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研究分担者 |
米満 賢治 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (60270823)
古賀 信明 (古賀 伸明) 名古屋大学, 人間情報学部, 教授 (80186650)
川村 尚 岐阜大学, 工学部, 教授 (40026125)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
54,100千円 (直接経費: 54,100千円)
2001年度: 13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2000年度: 13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
1999年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1998年度: 12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
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キーワード | 有効交換積分 / ab initio計算 / 経路積分セントロイド / 量子スピン系 / メゾスコピック系 / K_2NiF_4型磁性体 / 四核クラスター / 量子マスター方程式 / 分子磁性の理論 / 量子トンネル効果 / 光誘起強磁性 / 量子位相ダイナミックス |
研究概要 |
本研究は、異なる大学および研究所に属する理論化学、物理化学、量子化学、物性理論の専門家である4名を筆頭とする学際協力研究であり、次のように、担当分野を中心に独創的な成果を挙げることが出来た。また、各研究者の業績の融合も積極的に図ることが出来た。 山口担当分野では、集積型金属錯体の電子構造の理論的解析法を確立した。特に電子相関が重要となる場合のハイブリッド(混成)型密度汎関数(HDFT)法の、有効性と限界を解析した。また、noncolinearなスピン構造を持つ多核金属錯体が計算可能な一般化スピン軌道(GSO)を用いるHDFT法のプログラムを完成し、鉄、およびマンガン多核錯体の磁性を解明した。さらに、他の研究班で合成された種々の多核金属錯体の磁気測定結果を解明するために、遷移金属イオン間の有効交換積分(J)をポストハートリーフォック(HF)法および密度汎関数法を用いて計算した。求めたJ値を用いて、モデルハミルトニアンを構成し、磁化曲線の計算、光誘起磁性のダイナミックス、巨視的スピントンネリングのメカニズムの解明等の理論的解析を実行した。川村担当分野では、ロジウムなどの高周期遷移金属元素からなるランターン型幾何構造をもつクラスター錯体の電子構造、特にフロンティアー軌道の金属原子上から配位子上への非局在化の大きさの評価と非局在化機構の解析を進めた。古賀担当分野では、Pd-Co系の触媒反応の特徴を明らかにするために、中心金属を換えた、Pt-Co系、Pd-Rh系、Pt-Rh系の反応の様子を理論的に検討し、比較することによって、Pd-Co系の電子的特徴を明らかにした。米満担当分野では、ハロゲン架橋複核白金錯体の電荷整列と光応答を研究した。また、MMX鎖の電荷密度波相、電荷分極相、平均原子価相、交互電荷分極相の出現する機構を再考した。 なお、これら各研究者の業績は、国内のみならず国際的な会議にても積極的に公開され、研究成果を多方面に発信した。
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