研究課題/領域番号 |
10149214
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
森 健彦 東京工業大学, 工学部, 助教授 (60174372)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 有機伝導体 / α-π相互作用 / 結晶構造 / 金属錯体 |
研究概要 |
無限鎖を持った金属錯体の性質を調べる目的で、有機アニオン[C(CN)_3]^-を配位子とする遷移金属錯体Cu[C(CN)_3]_2およびMn[C(CN)_3]_2のX線結晶構造解析と磁気的性質の測定を行った。構造は2つの配位子[C(CN)_3]^-が金属間をブリッジした二重無限鎖から成り、これに上下から隣の鎖のNが配位子している。Cu、Mn錯体とも基本的には同型であるが、銅の場合には無限鎖方向のCu-Nが上下のCu-Nよりも短く、前者による平面4配位に近い構造であるのに対して、Mnの場合には正八面体配位に近い。磁化率はCu^<2+>、Mn^<2+>によるキュリー-ワイス則にしたがい、ワイス温度はそれぞれ-1.4K、-4.8Kであるが、これまでのところ磁気的相転移は観測されていない。またCu錯体のESRでは、平面4配位が2方向に向いている構造を反映して2つのピークが現れる。以上により無限鎖を持つ最も基本的な金属錯体であるにもかかわらずこれまで基本的なことが明らかになっていなかった遷移金属[C(CN)_3]^-錯体の性質が初めて明かとなった。一方、有機伝導体λ-(BETS)_2FeCl_4における強いd-π相互作用の起原を探るため、ドナーのHOMOとア二オンのFeの3dを主成分とする軌道との間の重なり積分を計算した。アニオン-ドナー間にはドナー-ドナー間の10分の1程度の軌道の重なりが存在する。これからd-π相互作用によってJ/kB=4K程度の磁気的相互作用が生ずる。これに対してκ-(BETS)_2FeCl_4の場合には軌道の重なりが小さく、J/kB=0.6K程度の相互作用しか存在しない。λ塩において相互作用が大きいのは、この塩がdislocationの多い構造をとるため、アニオンとBETSの内側のSeとの間に短いコンタクトが存在するためであると考えられる。
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