研究課題/領域番号 |
10149230
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福住 俊一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40144430)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 多核金属錯体 / 電子移動触媒作用 / スカンジウムイオン / セミキノンラジカルアニオン / 有機金属ポルフィリン / HMPA / ESR / 電子移動酸化特性 |
研究概要 |
本研究では、電子移動反応における金属錯体の触媒作用について検討し、高効率・高選択性を有する電子移動触媒システムを構築することを目的とする。触媒として金属錯体を考える場合、単核に比べ、相互作用のサイトの数の多い多核金属錯体を用いた方が、より高い触媒活性が期待される。これまで多核金属錯体に関する研究は国の内外で数多く行われているが、その電子移動触媒作用については全く知られていない。本年度は、Sc(OTf)_3のHMPA錯体とカリクスアレーンなどの多価フェノール配位子を塩基存在下で反応させて種々のSc^<3+>多核錯体の合成を試みた。また、Sc^<3+>は単核でもセミキノンラジカルアニオンに2個配位することにより、対応するキノンの電子移動還元を顕著に加速することを見いだし、電子移動過程における触媒作用機構の定式化に初めて成功した。多核錯体を用いれば、触媒活性が飛躍的に向上することが期待され、その電子移動触媒活性について、キノン類のみならず、種々の電子受容体を用いて検討した。電子供与体としては、有機金属ポルフィリン[(OETPP)Fe(R)]を用い、まず、その電子移動酸化特性について明らかにし、Rの種類を変えることによりその電子供与能を変化させた。電子移動触媒活性は、電子受容体ラジカルアニオンとの錯形成に起因するので、Sc^<3+>錯体と電子受容体ラジカルアニオンとの錯体形成についてESRにより検討した。また、立体障害を有する配位子を用いてラジカルアニオンの不均化を抑制することにより安定化させて、Sc^<3+>錯体と電子受容体ラジカルアニオンとの超分子錯体の合成を試みた。
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