研究課題/領域番号 |
10149243
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
植田 一正 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助手 (10275290)
|
研究分担者 |
杉本 豊成 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (30093256)
|
研究期間 (年度) |
1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 局在dスピン / 伝導性π電子 / TTFジチオレート基 / 中性マンガン錯体 / Curie-Weiss則 / スピン整列 / 飽和磁化 |
研究概要 |
局在dスピンと伝導性π電子とが共存・相互作用する金属錯体は、その電気伝導性質や磁気的性質に興味が持たれる。これまでに、2つのTTFジチオレート基が銅およびコバルト原子に結合した中性金属錯体を合成し、それらの電気伝導・磁気的性質を明らかにした。今回、対応する中性マンガン錯体を合成することに成功し、それらの電気伝導・磁気的性質について検討した。 この中性マンガン錯体は、ビス(テトラエチルアンモニウム)ビス(2,3-ジエチルチオテトラチアフルバレニル-6,7-ジチオレート)亜鉛錯体と1当量のMnCl_2とをDMF中-40℃で反応させた後、2当量のヨウ素で酸化することにより、良好な収率で得られた。この錯体の加圧成型試料の室温電気伝導度は、10^<-10>Scm^<-1>以下であった。1.8-300Kの温度範囲での常磁性磁化率(χp・T)の温度依存性は、300-100Kの温度範囲において、Curie-Weiss則に従った。フィッティングにより与えられたCurie定数は2.0emu・K・mol^<-1>、Weiss温度は-115Kであった。得られたCurie定数はMn(IV)(S=3/2)による値(1.8emu・K・mol^<-1>)に近い。一方、100K以下の温度領域では、χp・Tvs.Tプロットは100K以上で成立していたCurie-Weiss則に従わず、χp・T値は温度の低下に伴い30Kまで増大し、その後、減少した。±50kOeの外部磁場下での磁化曲線の温度依存を調べたところ、スピン整列の特異的なS字曲線が観察された。温度低下に伴い飽和磁化が増大し、2Kでの飽和磁化の値は約2,800emu・mol^<-1>に到達する。
|