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金属錯体結晶での電子格子結合とクーロン相関に関する非グラスマン経路積分

研究課題

研究課題/領域番号 10149258
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

那須 奎一郎  高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (90114595)

研究分担者 富田 憲一  高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (70290848)
岩野 薫  高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (10211765)
研究期間 (年度) 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード金属錯体 / 電子格子結合 / クーロン相関 / 非グラスマン / 経路積分
研究概要

非グラスマン経路積分法を数学的に導き定式化した。d電子のみがあり、相互に強い長距離クーロン斥力が働いており、且つ、格子振動と強く結合していると云う、実在する最も単純な場合を想定し、この巨視系の分配函数、自由エネルギー、一体グリーン函数、二体の光学的双極子・双極子相関函数、動的スピン・スピン相関函数、動的密度・密度相関函数、等の経路積分形を定式化した。電子・格子結合は、通常のファインマン流の経路積分で、時間に顕に依存する電子の一体ポテンシャアルに還元した。クーロン斥力の短距離部分は、軸性スピン演算子の二乗に変換し、不連続ストラトノビッチ変換で、局所的乱雑イジング変数に線形化した。長距離成分は、非局所的電荷演算子の二乗に変換し、更に、別の局所的乱雑イジング変数を導入して、線形化した。この時、クーロン斥力の長距離性は、第二の局所的イジング変数が、自分の存在位置から遥がに遠方にいる電子にまで、時間に顕に依存する一体ポテンシャアルを及ぼす形になった。かくして、格子変位とイジング変数を、時間・空間で、一経路定めれば、多体問題は、全て、その経路上で時間に顕に依存する一体ハミルトニアンに還元された。この一体ハミルトニアンが与える分配函数、自由エネルギー、一体グリーン函数、等々は、従来の様なグラスマン代数を用いた積分を行わずとも、単なる運動方程式を解くだけで導かれることが数学的に厳密に証明出来た。ここが本研究で、第一に肝要な点である。更に、この時間に顕に依存する一体ハミルトニアンのもとでも、ブロッフォ・デ・ドミニチスの定理が成立する事が、数学的に厳密に証明出来きた。ここが本研究で第二に肝要な点である。この定理を使えば、如何なる非線形応答函数も簡単に定式化でき、二体の光学的双極子・双極子相関函数、動的スピン・スピン相関函数、動的密度・密度相関函数、等々は、時間依存性のない場合と全く同形になる。実際の経路積分は、過去の記憶を引きずらないマルコフ型モンテカルロ法や、過去の記憶を引きずる非マルコフ型正値モンテカルロ法を開発し、計算を実行した。具体的な物質としては、擬一次元ハロゲン架橋型Ni錯体、とPt錯体を対象にし、分配函数、自由エネルギー、一体グリーン函数、二体の光学的双極子・双極子相関函数、動的スピン・スピン相関函数、動的密度相関函数、等をエネルギーと波数空間の全領域で計算した。岡本等のNi錯体での実験との極めて良い一致が得られた。

報告書

(1件)
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Iwano and K.Nasu: "Four-step scenario for doping-induced phase changes in a three dimensional CDW sytem" Phys.Reu.B. 57. 6957-6966 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] T.Minami and K.Nasu: "Dissipation of Core-hole momentuin by phonons in Soft X-Rey radiation Processes From Valence Band to core level" Phys.Reu.B. 57. 12084-12093 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2018-03-28  

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