研究課題/領域番号 |
10151202
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山本 和生 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20093536)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 活性酸素 / 8-oxodGTP / トランスバージョン変異 / mutT遺伝子 / MutTホモローグ / ribA遺伝子 / mutator |
研究概要 |
グアニンの活性酸素性損傷の一つ8-oxodGTPは、DNA複製でシトシン(C)の向かいに取りまれるだけでなく、アデニン(A)の向かいにも取り込まれることが知られている。その結果、A:T→C:Gトランスバージョン変異の原因となる。活性酸素による多くの疾病に増加、がんの発生などは、8-oxodGTPに起因する突然変異も一因である。これに対して、大腸菌なとの原核生物は、mutT遺伝子を獲得して、突然変異の増えることに対処している。MutTタンパク質は8-oxodGTPを8-oxodGMP+2piと分解する酵素で、その結果、8-oxodGTPを無毒化している。人のMutTホモローグがクローニングされ、がんとの関わりが調べられている。ところで、ヒトからクローニングされたMutTホモローグの染色体上の位置は、今の所がん等の遺伝疾病とは関連していない。8-oxodGTPの強い変異原性を考えたとき、MuTをbackupするシステムが働いているのではないかという可能性が考えられる。そこで大腸菌のゲノムライブラリーをスクリーニングしたところ、mutT欠損を相補する遺伝子が取れてきた。塩基配列を求めたところ、リボフラビン合成系の酵索GTP cyclohydrolase IIをコードするribA遺伝子であることが分かった。精製したGTP cyclohydrolase IIはin vitroで、本来の基質であるGTPのほかに、8-oxodGTP及び8-oxorGTPを加水分解した。またribA欠損大腸菌は、mutT欠損と二重変異にすると、mutator活性を示した。以上の結果より、大腸菌では、MutTの他に、RibAも8-oxodGTPの代謝に関わることが明かとなった。RibAの様なbackup酵素が人などの真核生物にも存在するかどうかを今後は調べて行きたい。
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