研究課題/領域番号 |
10151207
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池田 日出男 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012775)
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研究分担者 |
加藤 潤一 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10194820)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1998年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 非相同的組換え / 染色体異常 / DNA修復 / Ku抗原 / サイレンシング因子 / 染色体分配 / ウェルナー症候群 / ブルーム症候群 |
研究概要 |
近年、染色体異常とKu抗原遺伝子やSIR2,SIR3,SIR4などクロマチン構造と関連する遺伝子との関連が明らかになりつつある。我々は、二本鎖切断されたDNA末端にKu抗原やサイレンシング因子が結合し、複合体を形成してエンドジョイニングに働くと考えているが、本研究ではこの複合体の機能にヒストンH4が関与すること、また、特殊のアセチル化酵素Natl-Ardlが必要であることを示した。 さらに、出芽酵母SGS1遺伝子の破壊株では非相同的組換えによる欠失変異が起こる頻度が高い事を明らかにした。ブルーム症候群、ウェルナー症候群原因遺伝子を出芽酵母の中で発現させSGS1の欠損を相補できるかどうかについて調べ、この二つの遺伝子が出芽酵母において非相同的組換えを抑制する機能を持つことを示した。 出芽酵母Rhc21遺伝子産物cohesinは、S期に複製された姉妹染色体分体同士をM期中期までつなぎとめることで未成熟な染色体分配を抑え、正常なmitosis進行をさせる働きをしている。rhc21変異株の多コピーサプレッサーの解析から、PKA、CDC28などのリン酸化酵素やユビキチン経路の制御因子であるCDC20と遺伝的相互作用があることが明らかになり、その機能が複雑な制御をうけていることが予想された。興味深いことに、RHC21遺伝子は、体細胞分裂期での染色体分配に加えて、相同的組換えや減数分裂にも重要な機能をもつことが示唆された。以上の結果から、RHC21蛋白質は正常な染色体分配を維持する役割に加えて、組換えや胞子形成などの様々な染色体機能に関与すると考えられる。
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