研究課題/領域番号 |
10151231
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河田 純男 大阪大学, 医学部, 助教授 (90183285)
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研究分担者 |
石川 秀樹 大阪府立成人病センター, 研究所, 主任研究員
乾 由明 大阪大学, 医学部, 助手 (00294067)
田村 信司 大阪大学, 医学部, 助手 (30243223)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 大腸がん / 化学予防 / ファルネシル転移酵素 / 酵素阻害剤 |
研究概要 |
rasがん遺伝子は大腸がん発生に重要な役割を担っている。 Ras蛋白が機能するにはフ7ルネシル転移酵素によりC末端のファルネシル化を受けることが必須である。 私どもは、自ら開発したHPLCを用いた簡易活性測定法によりヒト大腸ポリープおよび背景粘膜の酵素活性を測定し、正常粘膜に比較してポリープでは有意に活性の亢進を認め、さらに患者の背景粘膜の検討ではポリープの異型度が高い症例ほど背景粘膜に活性の上昇を認めている。 したがって、rasがん遺伝子の活性化変異を高頻度に認める大腸がんの化学予防のために本酵素はその分子標的になりうると考えられる。 1. 本酵素遺伝子の過剰発現により増殖因子による細胞増殖亢進、ソフト・アガーでのコロニー形成能の獲得、アポトーシス耐性の獲得、造腫瘍性の獲得を認めた。 2. 本酵素阻害剤により、ヒトがん由来細胞株に対して増殖抑制とRasファルネシル化の抑制を認めたが、laminのファルネシル化には影響が見られなかった。 以上より、本酵素の活性亢進は、細胞増殖の亢進、アポトーシス耐性の獲得、造腫瘍性の獲得につながることが明らかになっている。 さらに、本酵素阻害剤が、Rasファルネシル化の抑制に有効であることが明らかになったので、ファルネシル転移酵素は大腸がんの化学予防の分子標的になりうると考えられる。
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