研究課題/領域番号 |
10151234
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
達家 雅明 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (50216991)
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研究分担者 |
太田 隆英 金沢医科大学, 医学部, 講師 (10152141)
鈴木 文男 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (10019672)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 細胞周期 / 細胞分裂 / 染色体 / がん / M期 / 分裂異常 / カイネース / AIM-1 |
研究概要 |
発がん過程における染色体異常招来の原因のひとつとして「M期細胞分裂の機能的な破綻」が重要な要因であると考えられる。本研究の目的は、今まで不明の点の多かった動物細胞のM期進行の制御に関する分子機構を明らかにし、その機構の機能的な破綻が発がん過程で起こっているか否かを検証することにある。その目的のために研究を行ない、次のような成果を得た。 1)動物細胞において、M期で機能すると考えられるカイネース遺伝子をクローニングし、その機能を明かとした。この遺伝子(AIM-1)は、分裂異常を生じる酵母のIpl1変異原因遺伝子ipl1(gene for increased ploidy mutant-1)ならびにハエで分裂異常の結果胎生致死となるAurora変異の原因遺伝子auroraと相同性を有する新規の遺伝子であり、分裂期後期にmidbodyに局在して、細胞質分裂を制御する。2)我々は最初、AIM-1をラットで見つげたが、ヒトにも構造的ならびに機能的に似た遺伝子(Human AIM-1)が存在することを見つけた。3)Human AIM-1はp53癌抑制遺伝子近傍の染色体17p13にマップされた。4)大腸癌を初めとする多くの癌細胞株において、AIM-1の高発現が観察され、また、強制的な高発現により細胞が多核化を起こし染色体の量的異常が招来することを見出した。5)AIM-1に関連する類縁のカイネース遺伝子がAIM-1にも存在し(AIM-3までクローニングしている)、AIM-1関連遺伝子が動物細胞におけるセリン/スレオニン.カイネースの新しいファミリー(遺伝子群)であることを見つけた。
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