研究課題/領域番号 |
10151250
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
辻村 亨 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (20227408)
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研究分担者 |
寺田 信行 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50150339)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 肝がん / c-kit レセプター チロシンキナーゼ / oval 細胞 / ジエチルニトロソアミン |
研究概要 |
ラットでは肝細胞の増殖が抑制された状況下で部分切除を行い肝再生を促すと幹細胞由来と考えられているoval細胞が観察される。このoval細胞にはc-kitレセプター・チロシンキナーゼ(KIT)が発現する。KITの機能を喪失するWs/Wsラットと正常(+/+)ラットに2-アセチルアミノフルオレン(AAF)を投与し肝細胞の増殖を抑制した状況下で部分肝切除(PH)を行うと、Ws/Wsラットでは+/+ラットに比べて有意に0val細胞の出現が抑制されることがわかった。KITを介したシグナル伝達がoval細胞への分化に重要な役割を果たしているか、あるいはWs/Wsラットの肝では幹細胞そのものが少ないためにoval細胞がほとんど出現しないと考えられる。次にWs/Wsラットはoval細胞欠損ミュータントとして有用であることが示されたので、Ws/Wsラットと+/+ラットに発がん剤であるジエチルニトロソアミン(DEN)の1回投与とAAF/PHを施行しoval細胞の肝がん発生に及ぼす影響について検討した。DENを投与して1年を経過したWs/Wsラットでは12匹中8匹(67%)に肝がんが発生したのに対して+/+ラットでは14匹中5匹(36%)にしか肝がんの発生はみられなかった。またラット1匹あたりの肝がんの発生数もWs/Wsラットの方が+/+ラットよりも有意に高かった。oval細胞を欠損するWs/Wsラットではイニシェーションされた肝細胞が分裂・増殖することにより肝臓が再生されるのに対して、+/+ラットでは肝細胞とoval細胞の両方が分裂・増殖することにより再生されると考えられる。従ってWs/Wsラットで肝がんの発生頻度が高いことは、肝がんの発生母地がoval細胞ではなくて分裂を繰り返す肝細胞であることを示唆する。
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