研究課題/領域番号 |
10151256
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)佐々木研究所 |
研究代表者 |
前川 昭彦 佐々木研究所, 病理部, 部長 (30106182)
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研究分担者 |
吉田 緑 佐々木研究所, 病理部, 研究員 (70201861)
安藤 進 佐々木研究所, 病理部, 研究員 (10240433)
高橋 正一 佐々木研究所, 病理部, 主任研究員 (50132767)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1998年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 二段階子宮発癌 / ラット / マウス / 環境化学物質 / エストロジェン受容体 / 内分泌攪乱物質 |
研究概要 |
当部において確立したDonryuラットを用いての二段階子宮発癌試験法により、内分泌撹乱作用が懸念されている化学物質を含む各種環境化学物質の子宮内膜癌発生におよぼす影響を検討した。子宮癌発生に対しては古くよりエストロジェンの関与が示唆されている事から、子宮発癌におけるエストロジェンとその受容体(ER)との関連を検討するための予備実験として、正常及び卵巣摘出ラットを用いてin situ hybridization法による子宮内膜でのERmRNAシグナルの発現を検討した。その結果、高脂肪食投与実験の途中経過では、コーン油およびラードは子宮癌発生に何ら影響を与えなかったが、魚油はむしろ抑制する可能性が示唆された。インドール化合物の1つであるindole-3-carbinolはその発生を促進し、その機序として肝でのエストロジェン代謝への影響が示唆された。坑エストロジェン剤であるタモキシフェンは子宮癌発生を抑制した。尚、現在オクチルフェノールの実験が進行中である。また、ジエチルステルベストロールは妊娠ラットへの投与でその仔において子宮癌発生が促進された。子宮内膜におけるERmRNAの発現は、エストロジェンによりコントロールされてはいるものの、条件によっては内膜被覆上皮と腺上皮でその発現に差が認められた。一方、発癌剤とエストロジェンの併用による子宮癌誘発を利用したマウス二段階発癌試験法を用いて、タモキシフェンおよびアスコルビン酸の子宮発癌修飾作用を検討した結果、前者はその発生を抑制し、後者は促進することが示され、その機序としてそれら物質はエストロジェンの子宮発癌促進作用をそれぞれ抑制、あるいは促進する可能性が示唆された。尚、プロゲステロン阻害剤及びオクチルフェノールの実験を計画中である。
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