研究課題/領域番号 |
10152204
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
三輪 正直 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (20012750)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | DNA修復 / PARP / ショウジョウバエ / 複眼 / アクチンフィラメント / Rho |
研究概要 |
本研究では細胞死、細胞増殖・分化の調節機構を解明する目的で、DNA修復に関わるPARPやDNA-PK、及びp53を単独、または、他の細胞死、細胞増殖関連遺伝子と同時に複眼原器特異的に発現させ、複眼の形成異常を指標に、細胞増殖とがん化どのように関わっているを明らかにしたい。 まず複眼特異的PARP発現ベクターpGMR-PARPを構築し、ショウジョウバエに導入した。その結果、複眼の形成異常を認め、PARPの過剰発現が細胞死・細胞分裂・細胞分化へ影響を与える事が推測された。そこで、得られた遺伝子導入個体の複眼形態の観察、複眼切片及び原基での光受容細胞と色素細胞の数と種類、配列の解析、複眼原基での死細胞と細胞分裂の観察を行い以下の結果を得た。 1) PARPトランスジェニックフライでは、走査電子顕微鏡により個眼の配列の乱れ、個眼と個眼の境界の消失などが観察された。切片の観察では、赤道の消失、極性の異常を含む個眼の配列異常と色素細胞の消失が見られた。 2) 蛹化後約40時間の蛹のEye Discのコバルト染色で、コーン細胞の形態と数の異常が顕著に観察された。 3) 3齢幼虫のEye DiscのTUNEL法による死細胞の検出、BrdU取り込みによるS期細胞の検出を行った結果、PARPの過剰発現はBrdU取り込みに影響を与えなかったが、TUNEL陽性細胞の増加が観察された。 4) PARPトランスジェニックflyでは、アクチンフィラメントの形成不全が観察された。 5) 細胞死・細胞周期に関わる遺伝子の機能的相互作用を明らかにする目的で、すでに他の研究室で樹立されているreaperまたは hidトランスジェニックフライと、PARPトランスジェニックフライを交配したが、これらの複眼の表現形質に変化は認められなかった。 6) 低分子量Gタンパク質Rho過剰発現による複眼形成異常のPARPによる抑制が観察された。
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