研究課題/領域番号 |
10152210
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
門脇 孝 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (30185889)
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研究分担者 |
寺内 康夫 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
戸辺 一之 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30251242)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 蛋白チロシンリン酸化 / 成長ホルモン / プロラクチン / 乳癌 / 細胞増殖 / JAKキナーゼ / ErbB2 / MAPキナーゼ |
研究概要 |
(1)GHによる蛋白チロシンリン酸化の活性化と細胞増殖における意義:成長ホルモン(GH)の分泌過剰である末端肥大症では高率に大腸ポリープ及び乳癌など悪性腫瘍が合併することが報告されている。本研究では、GHによりGH受容体にassociateしたJAK2キナーゼが活性化されEGF受容体のGrb2部位をチロシンリン酸化しMAPキナーゼが活性化されること、この経路が遺伝子発現や細胞増殖に関与していることを初めて見出した(Nature 390:91-96,1997、J.Biol.Chem.273:15719-15726,1998)。(2)プロラクチンによる蛋白チロシンリン酸化の活性化と乳癌の細胞増殖における意義:EGF受容体ファミリーのメンバーであるErbB2の発現亢進やその構成的なチロシンリン酸化はヒト乳癌の予後を予知する因子として知られている。本研究で、ヒト乳癌の病理標本72例を検討すると、ErbB2発現を認める51例の細胞増殖能(PCNA法)はErbB2発現(-)の21例に比し明らかに亢進し、リンパ節転移を有するものの割合も有意に高率であった。また、ErbB2発現を認めるものの中で、プロラクチンの発現の有無で分けると、ErbB2とプロラクチンを共発現しているものがBrbB2単独発現に比し明らかに細胞増殖能が高く予後が不良であった。次に4種の乳癌細胞株でErbB2が構成的にチロシンリン酸化され、Grb2結合を介してMAPキナーゼ活性化を起こしていることを明らかにした。また、このBrbB2のチロシンリン酸化やMAPキナーゼの活性化は、プロラクチンに対する抗体やJAK2キナーゼのドミナントネガティブ変異体によって抑制されることを見出した。またプロラクチンに対する抗体、JAK2ドミナントネガティブ変異体、MAPキナーゼ阻害剤によって乳癌細胞の細胞増殖もおさえられた。以上、乳癌細胞株では、プロラクチンの自律性分泌によりプロラクチン受容体を介したJAK2キナーゼの活性化が起こり、その結果ErbB2のチロシンリン酸化とGrb2の結合及びMAPキナーゼ活性化が引き起こされ、細胞増殖に関与していることが明らかとなった(Yamauchi,T.,et al.:Prolactin-induced tyrosine phosphorylation of ErbB 2 viaIak2 as an essential element leading to proliferation of breast carcinoma cells.投稿中)。
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