研究課題/領域番号 |
10152214
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小川 誠司 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60292900)
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研究分担者 |
高橋 宗春 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
本田 浩章 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40245064)
千葉 滋 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60212049)
三谷 絹子 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50251244)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | p130^<Cas> / ノックアウトマウス / actin線維の束状形成 / c-Crk / c-Src / 血管拡張 / FAK / チロシンリン酸化 |
研究概要 |
p130^<Cas>(以下Cas)はN端にSH(Src homology)3を1つ持ち、YXXPから成る繰り返し配列とProlineに富む領域を持つ、新しいシグナル伝達物質である。Casは本来v-Src、v-Crkにより強くチロシンリン酸化を受けるタンパク質として同定されたが、これらのタンパク質とチロシンリン酸化依存性に強く結合する事が示され、両者に共通のシグナル伝達物質と考えられた。その後、フィブロネクチンを含む様々な細胞接着刺激でそのチロシンリン酸化が誘導されることが明らかになり、細胞接着分子として機能していると考えられた。更に、Casはその機能ドメインを介して様々な細胞内タンパク質と結合することが示されている。現在まで、SH3領域を介してFAK、PTP1B、PTP-PESTと、substrate domainを介してc-Crk、Nckと、またprolineに富む領域を介してc-Srcに結合する事が報告されている。我々はCasの生物学的機能を明らかにする目的でCasのノックアウトマウス(Cas-/-)を作製した。Cas-/-は胎性11.5-12.5日で全身に著明なうっ血を呈して死亡した。病理学的な検索では心筋の菲薄化および著明な全身の血管拡張が認められたが、これは正常個体発育におけるCasの組織分布にほぼ一致した。更に電子顕微鏡による解析で心筋にactin線維の束状形成の異常が認められた。この所見はCas-/-胎児から樹立したprimaryfibroblastでも認められ、Casの再導入により正常化した。以上の結果は、Casの生物学的作用はactin線維の束状形成であり、Casを欠いたマウスは心筋および血管平滑筋の収縮機能不全によりうっ血および全身の循環不全を来して死亡すると考えられる。以上の結果はCasの生物学的作用の解明のみならず、細胞増殖、癌化における情報伝達機構を解明する上で新たな知見を与えるものと考えられる。
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