研究課題/領域番号 |
10152222
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
千田 隆夫 名古屋大学, 医学部, 助教授 (10187875)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | APC / 癌抑制遺伝子産物 / β-カテニン / hDLG / PSD-95 / DAP-1 / postsynapticdensity |
研究概要 |
1. 抗APC抗体を用いた免疫組織化学法によると、APCはマウスの中枢神経系全域に分布しているが、特に嗅球、海馬、小脳皮質での発現が高い。 2. 免疫電顕法によると、APCはニューロンの細胞体・神経線維・神経終末に広く分布していた。脊髄神経節や脳神経核のニューロンでは、細胞体部分の細胞質に大量のAPCが存在した。嗅球の僧帽細胞ではAPCは核内にも検出された。またAPCは小脳プルキンエ細胞の周囲に濃縮していたが、これはプルキンエ細胞を取り巻く、かご細胞の神経終末叢への局在であることがわかった。 3. 中枢神経系全域において毛細血管に一致したAPCの局在が示されたが、免疫電顕法によって詳細に調べたところ、APCは毛細血管の周囲に終わるアストロサイトの終足に局在していることが明らかになった。それに加えて、小脳の顆粒層ではアストロサイトの突起にもAPCの局在が見られた。 4. APCとβ-カテニン及びhDLGの共存を二重免疫組織化学法で検索したところ、ニューロンではAPCとβ-カテニン・hDLGが共存していたが、アストロサイトでは共存は認められなかった。 5. APCとシナプス伝達の関係を知るために、APCとシナプス関連タンパクPSD-95、DAP-1の分布・局在を検索した。PSD-95はマウス小脳皮質分子層全体に分布すると共に、プルキンエ細胞体を取り巻く、かご細胞の終末神経叢に濃縮しており、これはAPCの局在と一致した。二重免疫電子顕微鏡によってAPCとPSD-95及びAPCとDAP-1の共存の有無を検索したところ、分子層のシナプス後部のpostsynapticdensityにおいてAPCとPSD-95及びAPCとDAP-1の共存が認められた。
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