研究課題/領域番号 |
10152234
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
緒方 正人 大阪大学, 医学部, 助手 (60224094)
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研究分担者 |
濱岡 利之 大阪大学, 医学部, 教授 (60028529)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | チロシンホスファターゼ / PTP36 / 細胞接着 / 細胞増殖 / セリン / スレオニンキナーゼ / トランスロケーション / 細胞骨格 / スレオニンホスファターゼ |
研究概要 |
細胞接着のシグナル伝達や細胞骨格の制御は、がん化やがんの進展、転移と密接に関連している。細胞骨格タンパクのバンド4.1分子と相同性のあるドメインを持つ細胞質型チロシンホスファターゼ(protein tyrosine phosphatase,PTP)は、ほ乳動物で5種、線虫で1種のファミリーメンバーが知られている。我々は、ほ乳動物のメンバーの一つ、PTP36をクローニングし、さらに、PTP36の過剰発現が、細胞接着、細胞骨格、細胞増殖などに影響を及ぼすことを明らかにした。さらに、その細胞内局在は、細胞の着脱による制御を受け、接着時には細胞室に存在しているが、剥離時には、細胞膜近傍の細胞骨格画分へと移行することを見い出した。本年度は、このバンド4.1スーパーファミリーのチロシンホスファターゼのシグナル伝達系について、以下の点を明らかにした。 1. PTP36は、ほ乳動物のバンド4.1スーパーファミリーホスファターゼである。その過剰発現は、アクチンストレスファイバーや接着斑の減少を引き起こすが、今回、PTP36が、Rho依存性のFAKのリン酸化を抑制することを明らかにした。 2. PTP36の標的候補分子として、新たにアンキリンリピートを持つ分子(1-8)、および細胞骨格蛋白と相同性のある分子(2-6)がPTP36と複合体を形成することを見い出した。 3. シグナル伝達機構の解析に線虫(C.elegans)を利用する目的で、線虫のバンド4.1スーパーファミリーホスファターゼであるPTPlの発現部位を同定し、さらに、その過剰発現が、線虫の成長抑制という表現型を生じることを明らかにした。この表現型を指標にすることで、シグナル伝達機構の解析に線虫が利用できることが明らかになった。
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