研究課題/領域番号 |
10153210
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
稲垣 暢也 秋田大学, 医学部, 教授 (30241954)
|
研究期間 (年度) |
1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | ABC蛋白質 / ATP感受性K^+チャネル / スルホニル尿素 / チャネル開口薬 / G蛋白質 |
研究概要 |
ABCトランスポータはよく保存されたATP結合ドメインを持つ膜タンパク質の総称で、これらはポンプ、イオンチャネル、チャネルレギュレーターと多様な機能を有するが、そのメカニズムに関しては不明である。本研究では、特に代表的なポンプであるMDRと類似した構造を有するにもかかわらず、ATP感受性K^+(K_<ATP>)チャネルのレギュレーターとして機能するスルホニル尿素受容体SURの機能を明らかにすることによって、ABCトランスポータ機能の普遍性と特異性を明らかにすることを目的とした。 申請者らは、これまでにK_<ATP>チャネルがSURと内向き整流性K^+チャネルKir6.2の2種類のサブユニットの複合体であることを明らかにした。膵β細胞型K_<ATP>チャネル(SUR1/Kir6.2)と心筋型のKATPチャネル(SUR2A/Kir6.2)は代表的なスルホニル尿素(SU)剤であるグリベンクラミドやチャネル開口薬であるジアゾキサイドに対する反応性が大きく異なる。これらは両者の間で異なるSURサブユニットの相違によるものと考えられる。そこで、SUR1とSUR2Aのキメラを作成してグリベンクラミドやジアゾキサイドの作用点の同定を試みた。作成したすべてのSURのキメラはKir6.2とをCOS1細胞に共発現させることによってチャネルの電流が認められた。この電流に及ぼすグリベンクラミドやジアゾキサイドの効果を観察した結果、これらの薬剤のSUR1における作用領域を絞り込むことができた。現在では、さらに狭い領域を組換えたキメラを10種類以上作成してCOS1細胞に発現させ、^3H標識のグリベンクラミドの結合親和性を検討しており、SUR1の分子内でグリベンクラミドとの結合に特に重要な部位がほぼ同定できている(投稿準備中)。 次に、再構成されるK_<ATP>チャネルに及ぼすG蛋白質の効果をtパッチクランプ法を用いて検討した。その結果、G蛋白質の特にαサブユニットがK_<ATP>チャネルを直接調節していること、その調節様式が膵β細胞型K_<ATP>チャネルと心筋型のK_<ATP>チャネルとの間で異なり、その相違がSURサブユニットの相違によることが明らかになった。
|