研究課題/領域番号 |
10153215
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
辻 浩一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50179991)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | stem cell factor(SCF) / インターロイキン6(IL-6) / 可溶性IL-6受容体 / c-kit / gp130 / 造血幹細胞 / 細胞周期 / 体外増幅 |
研究概要 |
我々はこれまでに、未分化なヒト造血幹細胞はinterleukin-6受容体(IL-6R)のα鎖は発現していないが、IL-6Rの細胞内シグナル伝達分子であるgp130を発現しており、stem cell factor(SCF)によるc-Kitシグナル存在下で、IL-6/可溶性IL-6R複合体(IL-6/sIL-6R)によりgp130シグナルを活性化することにより、その増殖が誘導されることを報告した。そこで本研究では、これらのシグナルを用いて造血幹細胞の細胞周期を制御することにより、ヒト造血幹細胞の無血清体外大量増幅法の確立を目指した。 1. c-Kitとgp130を介するシグナルのヒト造血幹細胞の細胞周期に及ぼす影響 無血清培養下でヒトCD34+細胞をSCF、IL-6、sIL-6Rで刺激し、その細胞周期の変化をSCF、IL-6、IL-3刺激による変化と比較検討した。刺激前のCD34+細胞の10.4%がS期にあったが、SCF、IL-6、sIL-6R刺激により60時間後には17.4%、72時間後には26.5%がS期に導入された。SCF、IL-6、IL-3刺激では、60時間後には12.8%、72時間後には17.4%がS期に導入されたに過ぎなかった。 2. c-Kitとgp130を介するシグナルを用いたヒト造血幹細胞の無血清体外大量増幅 無血清培養下でヒトCD34+細胞をSCF、IL-6、sIL-6Rで刺激すると、多能性造血前駆細胞は1週間で49倍、2週間で68倍に増幅された。以上の結果より、SCF、IL-6、sIL-6R刺激により未分化なヒト造血細胞の増幅が可能であると考えられた。
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