研究課題/領域番号 |
10153230
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
西村 恭昌 近畿大学, 医学部, 教授 (00218207)
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研究分担者 |
平岡 真寛 京都大学, 医学研究科, 教授 (70173218)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 血管新生阻害 / VEGF / 抗VEGF中和抗体 / 温熱 / 細胞周期関連抗原 / 放射線抵抗性 / シスプラチン |
研究概要 |
ヒト大腸癌移植腫瘍LS-180を用いて、血管新生阻害剤TNP-470および抗VEGF中和抗体が、温熱(44℃30分)の抗腫瘍効果に与える影響をTG time assayにて検討した。温熱+抗VEGF中和抗体群は、抗VEGF中和抗体単独群と比し有意に抗腫瘍効果が増強した。また、温熱+TNP-470+抗VEGF中和抗体の三者併用群においてもっとも高い抗腫瘍効果が得られた。温熱後の腫瘍内には壊死巣が見られ、残存腫瘍細胞にVEGFの発現が認められた。抗VEGF中和抗体を温熱後に投与することで、抗腫瘍効果の増強が示された。 術前シスプラチン化学療法を行い(CT群)、あるいは術前治療なし(対照群)で食道亜全摘術を施行された計35例食道癌の治療前生検組織と切除標本でのPCNA,Ki-67陽性細胞数を比較検討した。対照群において、切除標本のKi-67、PCNALIは、それぞれの治療前生検組織標本のLIより有意に高値を示したが(p<0.05)、治療前生検組織標本と切除標本のPCNA、Ki-67LI間には有意な相関関係を認めた。一方、術前化学療法により、切除標本でのKi-67LIは対照群のLIに比べて有意に下がった。本研究により細胞周期関連抗原のLIによる腫瘍増殖能の研究に生検組織材料を用いることの正当性が示された。また、CT群では、少なくともKi-67LIに関してはシスプラチン投与により減少することが示された。我々はすでにPCNA LI、Ki-67LIの低い食道癌の局所制御率が不良であることを示しており、化学療法によって腫瘍内の増殖細胞分画が低下し、休止期細胞の比率が高まり放射線抵抗性になることが示唆された。
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