研究課題/領域番号 |
10153234
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
増永 慎一郎 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (80238914)
|
研究期間 (年度) |
1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 休止(静止)期細胞 / 中性子捕捉療法 / 中性子捕捉化合物 / カドミ比 / Tirapazamine / 低温度温熱処理 / 再分布現象 / 再酸素化現象 |
研究概要 |
中性子線照射及び中性子捕捉反応に対する休止期細胞(Q細胞)の感受性及び、中性子捕捉化合物の腫瘍内分布を高めるための併用処置について、以下の諸点を明らかにした。 (1) 中性子捕捉化合物非投与下での中性子照射に対する腫瘍内のQ細胞の感受性は全腫瘍細胞(P+Q細胞)よりも低いが、γ線照射時程の差はなく、従って、γ線照射時と比べた相対的生物学的効果比(RBE)は、Q細胞の方がP+Q細胞よりも大きい。また、低カドミ(Cd)比中性子線を用いた照射の方が、このRBEが大きくなる傾向があった。 (2) 中性子捕捉化合物投与下では、Q細胞もP+Q細胞も感受性が高まるが、低Cd比より高Cd比中性子線照射時に顕著であった。BPAはP+Q細胞の、BSHはQ細胞の感受性を顕著に高めた。 (3) 中性子捕捉化合物、特にBPA投与時にTirapazamine(TPZ)の前投与を併用するとQ細胞の感受性は顕著に高められた。 中性子照射後の腫瘍内P+Q細胞並びにQ細胞における(再)酸素化及び再分布現象については現在なお検討中であり、再発予防を目的とするγ線あるいはX線照射を追加する際のより効果的な照射タイミングも明らかにしたい。またP+Q細胞よりも放射線・抗癌剤に対する内的感受性の低いQ細胞に対し、より殺細胞効果の高いTPZや、Q細胞の低酸素細胞分画をより効率よく解除する低温度温熱処置に関する分析も、今後血管新生作用と関連させて分析の予定である。
|