研究課題/領域番号 |
10153239
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
杉山 治夫 大阪大学, 医学部, 教授 (70162906)
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研究分担者 |
尾路 祐介 大阪大学, 医学部, 助手 (20294100)
相馬 俊裕 大阪大学, 医学部, 助手 (40273619)
岡 芳弘 大阪大学, 医学部, 助手 (20273691)
小川 啓恭 大阪大学, 医学部, 助教授 (80194447)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1998年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | WT1 / WT1アッセイ / AML / MDS / MRD |
研究概要 |
WTlアッセイ (WTl mRNAの定量)を用いて以下の点を明らかにした。 1. JALSG(Japan Adult Leukemia Study Group)-AML95プロトコールに基づいて治療された多数例のAMLについて、治療前、完全寛解(CR)到達時、地固め療法終了時、及び維持・強化療法終了時、のWTlレベルを測定したところ,(1)治療前は、61症例すべてでWTl値は、異常高値であり、WTlが白血病細胞マーカーであることがconfirmされた。(2)CR到達時では54%の症例で、地固め療法終了時では、67%の症例で、WTl値は検出感度以下であり、WTl値が検出感度以下の症例が、治療前0%→CR到達時54%→地固め療法終了時67%と、治療とともに増加しており、寛解導入療法、地固め療法が有効であることが示された。(3)CR到着時、WTl値が検出感度以下になった6症例のうち3症例が、地固め療法終了時wn値が検出感度以下になった14症例のうち5症例で、維持・強化療法終了時WTl値が検出感度以下になった3症例のうち1症例で、再発が起こった。このことは、WTl値をモニターしながら、WTl値に応じた個別化した治療が必要であることを明らかにした。 2. MDSのRA35例、RAEB14例、RAEB-t例、MDS with fibrosis2例、MDSからの白血化症例12例、について、骨髄及び末梢血でWTlアッセイを行った。(1)病期が、RA→RAEB-t→AMLと進行するにつれてWTl値が上昇し、WTl値が病態の進行を反映していることが明らかになった。(2)末梢血でのWTl値と、6ヵ月以内の白血病化との間に相関があることが明らかになった。WTl値が末梢血で5x10^<-3>レベル(白血病細胞株K562のWTl発現レベルを1.0と定義)を越えると6ヵ月以内に白血病化すると予測することが可能となった。(3)WTlアッセイで、治療中のMDSのMRDを連続的にモニターすることが可能であることが明らかになり、MRDをモニターしながら、有効な治療を行えるようになった。(4)骨髄中の芽球数と、骨髄細胞のWTl値との間には全く相関がなく、WTl値は、形態学的な芽球のみならず、芽球様形態をとらない異常細胞も同時に検出していることが示された。
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