研究課題/領域番号 |
10153261
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
小安 重夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90153684)
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研究分担者 |
鈴木 春巳 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (70235985)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | NK細胞 / NKT細胞 / ハイブリッド抵抗性 / rag-2ノックアウトマウス / 骨髄移植 |
研究概要 |
がん治療において行われる放射線照射、化学療法は、ともに骨髄由来の顆粒球などを減少させる。故に患者は顆粒球減少症に伴う感染の危険にさらされる。これを防ぐためには骨髄移植が一つの方法であるが、移植骨髄の拒絶が問題である。この拒絶には通常のT細胞が関与するのではなくNK細胞が関与すると考えられてきたが、最近の研究からはNK細胞とT細胞の両方の特質を持ったNKT細胞群の関与も示唆されている。本年度の研究では、移植骨髄片の拒絶に関し、NK細胞ならびにNKT細胞(NKR-P1性T細胞)の機能を検討した。マウスのモデル系を用いてF1親の骨髄を拒絶するハイブリッド抵抗性のエフェクター細胞を解析し、以下の点を明らかにした。rag-2ノックアウトマウスではB細胞、T細胞並びにNKT細胞は分化しないが、NK細胞は正常に分化する。本研究においては、3系統のrag-2ノックアウトマウス、すなわちC57BL/6-[KO]rag-2、C3H/HeN-[KO]rag-2、及びBALB/c-[KO]rag-2を用いて2種類の骨髄移植系を検討した。野生型の(C57BL/6×C3H/HeN)F1(C57BL/6×BALB/c)F1ウスにC57BL/6由来の骨髄を移植すると、移植骨髄は拒絶される。一方、(C57BL/6×C3H/HeN)F1[KO]rag-2や(C57BL/6×BALB/c)F1[KO]rag-2マウスにC57BL/6由来の骨髄を移植したところ、やはり移植骨髄は拒絶された。この事実から、移植骨髄片の拒絶には、主としてNK細胞が重要であり、NKT細胞は必須ではないことが明らかになった。
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