研究課題/領域番号 |
10153262
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
矢崎 貴仁 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80200484)
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研究分担者 |
須川 誠 中外製薬(株), 研究主査
寺尾 聰 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70276278)
星 道生 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00265844)
河瀬 斌 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40095592)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 脳腫瘍 / 単純ヘルペスウイルス / 浸潤抑制因子 / サイトカイン / 遺伝子治療 |
研究概要 |
本研究では、組換え複製型単純ヘルペスウイルス(HSV)G207による抗腫瘍効果に、浸潤に関与するマトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)の抑制因子であるTIMP-2または腫瘍免疫を誘導するサイトカインを組み合わせた単一ベクターシステムを開発し、ウイルス療法を基盤とした効率の高い治療方法を探る。G207は、HSV-1のゲノムがらICP6とICP34.5を不活化させたもので、腫瘍細胞でのみ複製増殖し細胞を障害させることがすでに申請者らによって明らかにされている。G207はガンシクロビルに対する高感受性と温度感受性を獲得しており、臨床応用への安全性も高い。しかし、非常に速い速度で増殖中の腫瘍では、ウイルスの複製増殖が腫瘍の増殖に追い付かず、治療効果が十分に得られなかった。そこで本研究ではTIMPまたはサイトカインを発現するプラスミドベースのdefective HSV vectorの作製を行い、それぞれin vitro、in vivoの両系で抗腫瘍効果の検討を行った。in vitro,in vivo双方にてdefective particleより発現される因子の発現を確認後、plaque forming assay,transwell chamber assay,single step growth assayを行った。helper virusのtiterを合わせるとどれも抗腫瘍効果に差は認められず、TIMP2発現系を組み合わせた場合のみ、transwellでの細胞浸潤が抑制された。in vivoでは、皮下腫瘍移植系でTIMP2とIFN-γ発現の効果が認められたが、頭蓋内腫瘍移植系ではTIMP2の発現効果が著明であった。組み合わせる因子の検討は今後の課題であるが、この系によって複製ウイルスを用いたウイルス療法の増強効果が得られる事が明らかとなった。今後脳腫瘍以外の癌について、応用をはかる予定である。
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