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がん細胞が発現するFasリガンドの意義

研究課題

研究課題/領域番号 10153268
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
研究機関金沢大学

研究代表者

須田 貴司  金沢大学, がん研究所, 教授 (70250090)

研究分担者 長田 重一  大阪大学, 医学部, 教授 (70114428)
研究期間 (年度) 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
キーワードがん / Fas / Fasリガンド / アポトーシス / 炎症 / IL-1β / カスパーゼ
研究概要

マウス膜型FasLは限定分解を受け不活化される。分解されない組換え膜型FasL(CD40LFL)のcDNAをMethA細胞に導入し、細胞株MAFLを得た。40x10^6個のMAFLを同系マウスの腹腔に移植したところ、著明な好中球の浸出を認めた。また、MAFL移植群でのみ、腹腔洗浄液中にELISAでIL-1βが検出された。FasL刺激がcaspasesを活性化すること、caspase1/ICEがIL-1βの活性化と分泌を誘導することから、FasLはIL-1βを介して炎症を誘導していると考えた。そこで、thioglycolate誘導(4時間)腹腔浸出細胞(PEC)をFasLで処理したところ、アポトーシスの誘導と同時に、培養上清中への活性型IL-1βの分泌を認めた。このFasLによるIL-1β分泌は種々のcaspase阻害剤で抑制された。LPS刺激によるIL-1β分泌はcaspase1/ICEノックアウトマウス由来のPECでは著しく低下したが、FasLによるIL-1β分泌は野生型と同様に認めれた。また、IL-1α/βノックアウトマウスの腹腔にMAFLを投与したところ、野生型マウスに比べ好中球の浸潤は著明に減少していた。
以上の結果より、Fasリガンドを発現した癌細胞は、浸潤してきた炎症細胞にアポトーシスを誘導するが、このことがアポトーシスを引き起こした炎症細胞から活性型IL-1βの遊離を誘導し、さらに強い炎症細胞の浸潤を引き起こすらしいことが示された。また、FasLはcaspase 1以外のcaspasesの活性化を介してIL-1βの活性化と放出を誘導しうることが示された。またこの結果は、FasLの病理的作用に新しい観点を提供するとともに、FasLを免疫制御に利用しようとする最近の試みにも問題点とその解決策の鍵を与えると期待される。

報告書

(1件)
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Miwa,K.,et al.: "Caspase 1-independentIL-1beta release and inflammation induced by the apoptosis inducer Fas ligand." Nature Med.4. 1287-1292 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Fukuyama,H.,et al.: "Transgenic expression of Fas in T cells blocks lymphoproliferation but not autoimmune disease in MRL-lpr mice." J.Immunol.160. 3805-3811 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Hashimoto,H.,et al.: "Soluble Fas ligand in the joints of patients with rheumatoidarthritis and osteoarthritis." Arthritis Rheum.41. 657-662 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Miwa,K.,et al.: "Therapeutic effect of an anti-Fas ligand monoclonal antibody on lethal graft-versus-host disease." Int.Immunol.in press,. (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 須田貴司: "免疫とアポトーシス" 遺伝子医学. 13. 101-108 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 須田貴司: "細胞死とサイトカイン イラスト医学&サイエンスシリーズ-サイトカインの機能を探る-" 羊土社, 56-65 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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