研究課題/領域番号 |
10153272
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
反町 典子 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究部門, 研究員 (30217468)
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研究分担者 |
烏山 一 (財)東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究部門, 研究員 (60195013)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | NK細胞 / がん / マウス / サイトカイン |
研究概要 |
本研究は、最近私達が見いだした新規のNK変異マウスであるnkdマウスと、腫瘍の高発系である癌抑制遺伝子欠損マウスを組み合わせることにより、がん発症の過程においてNK細胞がどのような免疫監視機能を果たすのかを明らかにすることを目的として行った。そのために、まずがん発症の過程においてNK細胞が果たす免疫監視機構を解析するためのモデルマウスの樹立を試みた。residentNK活性を欠損するC57BL/6nkd/nkd(以下nkdマウス)とRAG2欠損マウスを交配し、免疫不全マウスRAG2-/-nkd/nkd(以下RAG/nkdマウス)を樹立した。フローサイトメトリーによる解析の結果、RAG/nkdマウスの末梢リンパ組織にはNKl.l陽性NK細胞が存在せず、^<51>Cr放出法を用いた細胞傷害実験の結果、residentNK活性を欠損することが明らかとなった。RAG/nkdマウス由来の牌細胞をin vitroで培養すると、MHCクラスI依存的細胞傷害活性を獲得したことから、このマウスはT、B、NK細胞による恒常的免疫監視が機能せず、誘導可能なNK活性を有することが明らかとなった。従って、RAG/nkdマウスは、サイトカインで刺激した場合においてのみNK細胞に限って細胞傷害活性を獲得する免疫不全マウスであり、がん発症の過程におけるNK細胞の関与を解析するのに有用なモデル動物と考えられる。今後(1)T、B、NK細胞による免疫監視機構が働かなくなったとき、自然発症腫瘍の頻度および種類は変化するか?(2)腫瘍発生過程においてNK細胞の活性化が実際に起こっているのか?(3)NK細胞の免疫監視機能に内在性サイトカインは重要か?の3点について、腫瘍移植実験および腫瘍高発系マウスとの交配によって興味深い知見が得られるものと期待される。
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