研究課題/領域番号 |
10154202
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
吉村 昭彦 久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (90182815)
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研究分担者 |
安川 秀雄 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (60289361)
大坪 素秋 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (10211799)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
30,000千円 (直接経費: 30,000千円)
1999年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
1998年度: 14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
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キーワード | チロシンキナーゼ / JAK / STAT / CIS / サイトカイン / ノックアウトマウス / EGF受容体 / c-Cbl / SH2ドメイン / シグナル伝達 / チロキシンギナーゼ / 細胞増殖 |
研究概要 |
造血因子やサイトカインの受容体はJAK型チロシンキナーゼが非共有結合によって会合しシグナルを細胞内に伝える。それらのシグナル伝達機構は近年著しい勢いで解明がすすめられているが、チロシンキナーゼの活性制御機構に関しては未知の領域が多い。我々はCIS3,JABがJAKに結合しJAKチロシンキナーゼを抑制する活性があることを明らかにした。本研究ではCIS3、JABによるノックアウトマウスを作成し生理機能の解明を行った。その結果(1)JABノックアウトマウスは正常に生まれてくるが生後3週間以内に全て死亡し、胸腺、脾臓の萎縮と肝臓での脂肪の蓄積および多くの組織で炎症様の単球の浸潤が見られた。これらの表現型の一部はIFNγトランスジェニックマウスに似ている。実際JAB-/-マウスとIFNγ-/-マウスのかけあわせによって症状が全く見られなくなった。またRag-/-マウスとのかけあわせによっても症状は消失した。したがってJAB-/-による個体の死はT細胞とインターフェロンγに依存することが示された。JABはT細胞においては活性化を抑え、非リンパ系細胞ではIFNγ感受性を決める分子である。(2)CIS3-/-ノックアウトは胎性致死であり、受精後12日以前は野生型と大きな形態の差はないが12.5-15日胚では全身での出血が見られた。また特に肝臓では構造が崩れており有核の胎児型赤血球で充満していた。胎児肝細胞をEPO存在下で培養すると野生型マウスにくらべてはるかに大きな前期赤芽球前駆胞コロニーが形成された。したがってCIS3は胎児造血幹細胞においてEPO/JAK2シグナルを負に調節する因子であることが示された。(3)さらにEGF受容体などのチロシンキナーゼを負に制御するc-CblがRINGフィンガードメインを介してユビキチンリガーゼE2と会合することを発見しチロシンキナーゼの新たな負の制御機構を提唱した。
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