研究課題/領域番号 |
10155210
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
根岸 学 京都大学, 薬学研究科, 教授 (60201696)
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研究分担者 |
杉本 幸彦 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (80243038)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | プロスタグランジン / Rho / 三量体G蛋白質 / チロシンキナーゼ / ROKα / 神経突起 / 低分子量G蛋白質 |
研究概要 |
プロスタグランジンE受容体サブタイプEP3は、Giと共役してアデニル酸シクラーゼを抑制するが、百日咳毒素非感受性の三量体G蛋白質を介してRhoを活性化し、神経突起の退縮を引き起こす。そこで、様々な三量体G蛋白質のαサブユニットの常時活性型を作成し、神経突起の退縮作用を調べた。GTPase活性を欠損した活性型変異体、Gα12QL、Gα13QL及びGαqQLは、神経突起の退縮を引き起こしたが、Gαi2QLは全く引き起こさなかった。また、Gα12QL、Gα13QL及びGαqQLによる退縮はC3酵素により完全に抑制され、これらのG蛋白質がRhoを介して神経突起の退縮を引き起こすことが分かった。更に、これらの3種類のG蛋白質によるRho活性化経路を比較すると、Gα13は下流にチロシンキナーゼが存在するが、Gα12の下流にはなく、GαqはCキナーゼを介してRhoを活性化し、それぞれ異なる経路でRho活性化に繋がることが分かった。次に、EP3受容体が上記のどの経路によりRhoを活性化視神経突起の退縮を引き起こすのかを検討した。EP3受容体による突起退縮作用は、Cキナーゼの阻害では全く影響を受けなかったが、チロシンキナーゼ阻害剤で完全に抑制された。このことから、EP3受容体はG12やGqとは共役せず、G13と共役することにより、Rho-ROKαの経路を介して神経突起の退縮を引き起こすことが考えられ、従来より知られているGiを介したアデニル酸シクラーゼの抑制による生理作用発現に加え、EP3受容体には全く新しい情報伝達系路、G13-RhO-ROKαを介した神経細胞の形態調節作用があることが見いだされた。
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