研究課題/領域番号 |
10155227
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
吉原 良浩 理化学研究所, シナプス分子機構研究チーム, チームリーダー(研究職) (20220717)
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研究分担者 |
鏡山 博行 大阪医科大学, 医学部, 教授 (80028555)
森 憲作 理化学研究所, ニューロン機能研究グループ, グループディレクター (60008563)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | テレンセファリン / 終脳 / 樹状突起 / シナプス / 細胞接着分子 / 神経突起伸張促進作用 / 長期増強現象 |
研究概要 |
終脳特異的樹状突起性細胞接着分子テレンセファリンの機能、特にシナブス可塑性における役割を解析する目的で実験を行い、平成10年度において以下に述べる成果を得た。 (1)初代培養ラット海馬神経細胞におけるテレンセファリン(TLCN)蛋白質およびmRNAの局在を詳細に解析した。TLCN蛋白質は樹状突起および細胞体の形質膜に存在しており、軸索には全く検出されなかった。一方TLCNmRNAは細胞体にのみ存在していたことから、翻訳後TICN蛋白質が樹状突起へと選択的にソーティングされると考えられた。また、TLCNは海馬においてはグルタミン酸作動性の興奮性神経細胞にのみ発現しており、GABA作動性抑制性神経細胞には存在しないことが明らかとなった。 (2)TLCNの機能を解析する目的で、組換えTLCN蛋白質を作製し、これをコートした培養皿に初代心養神経細胞をのせ、その形態変化を観察した。その結果TLCN蛋白質による神経突起伸長促進作用がが見いだされた。また、この作用は終脳セグメント以外の神経細胞に対しても観察されたことから、軸索裏面膜に未知のTLCNリガンド分子が存在するという可能性が示唆された。 (3)海馬長期増強現象(LTP)形成におけるTLCNの関与を明らかにした。ラット海馬スライス標本のSchaffer側枝/CAlシナブスにおけるLTPを電気生理学的に記録し、そこに抗TLCN抗体あるいは可溶性リコンビナントTLCN蛋白質を微量投与した。その結果LTPの形成が有意に抑制され、TLCNのシナプス可塑性への関与が示された。
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