研究課題/領域番号 |
10155232
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
浜 千尋 国立精神・神経センター, 神経研究所・遺伝子工学, 室長 (50238052)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | グアニンヌクレオチド交換因子 / Rho / GEF / ショウジョウバエ / 神経 / 可塑性 / シナプス / sif |
研究概要 |
われわれは今までに行動異常変異株の解析をもとに2種の遺伝子を同定し、いずれの産物もシナプスに局在することを明らかにしてきた。そのうちのひとつがstill life(sif)遺伝子である。この遺伝子のコードするタンパク質は、RhoファミリーGTPaseの一種であるRacを活性化するグアニンヌクレオチド交換因子で、シナプス前部においてはアクティブゾーンの周縁部の膜近傍に特異的に局在している。神経筋接合部を染色してレーザー顕微鏡で観察してみるとSIFタンパク質は複数存在するアクティブゾーンの回りに相補的に網目状に局在していることが明らかとなった。さらに、その網目状の領域の膜上にはFascilinIIやintegrinが共に局在していることがわかり、シナプスにおける細胞接着因子とRhoファミリーGTPaseカスケードに関連がある可能性が示された。さらにSIFタンパク質の機能を考える上で興味深いことは、このタンパク質が発生を終えた成虫脳においても多量に存在し、中枢シナプスのアクティブゾーン周縁部に特異的に局在しているということである。われわれは今までに得てきた知見をもとに以下の仮説をたてている。すなわち、SIFタンパク質はシナプス形成が終わったのちもシナプス末端の特異的な領域に局在して、その領域でRacを活性化することにより神経活動に依存してシナプスの構造的可塑性を制御しているということである。このことを検証するために、われわれは、まず脳内の小数の神経細胞の軸索をその先端まで可視化するシステムを作る必要性があると考え、膜結合性GFPを任意の遺伝子のプロモーター制御下で発現させる系を利用して、sif変異の効果を明らかにしていく計画を作り進めている。
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