研究課題/領域番号 |
10156206
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小澤 〓司 群馬大学, 医学部, 教授 (40049044)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | Ca^<2+>透過性 / AMPAレセプター / 海馬ニューロン / アデノウイルス / 遺伝子導入 / GluR2Q / 興奮性シナプス電流 / シナプス下膜 |
研究概要 |
ウイルスベクターを用いてCa^<2+>透過性AMPAレセプターを海馬ニューロンに強制発現させて、AMPAレセプターのCa^<2+>透過性のもつ機能的意義を明らかにすることを計画した。まず、非編集型GluR2(以下GluR2Qと略す)cDNAを組換えたアデノウイルスを作製し、ラット培養海馬ニューロンにGluR2Qを強制発現させ、外来性に導入されたCa^<2+>透過性AMPAレセプターが興奮性シナプス伝達を担うようになるか否かについて調べた。 GluR2Qの強制発現のために、2種類の組換えアデノウイルス、AxCALNLGluR2Q、AxCANCreを作製した。前者はアデノウイルス作製用コスミドカセットのクローニングサイトに、CAGプロモーター、両端にloxP配列をもつ介在遺伝子(stuffer gene)およびGluR2Q cDNAを組込んだものである。後者は、stufferの切り出しに必要なCre recombinaseを発現させるための組換えアデノウイルスである。ラット培養海馬ニューロンをこれらのウイルスで感染させたところ、2日後には、外向き整流、Ca^<2+>不透過性AMPAレセプターを発現しているはずの錐体形ニューロンで、大部分のAMPAレセプターが、内向き整流、Ca^<2+>透過性を示すようになった。さらに、海馬ニューロン間のシナプスで記録される速い時間経過の興奮性シナプス電流も、内向き整流、Ca^<2+>透過性AMPAレセプターにより担われるようになることが明らかになった。 従って、GluR2Q受容体がウイルスベクターにより過剰に産生され、短時間でシナプス下膜に存在する本来のAMPAレセプターと置き換わることが結論された。この結果は、シナプス下膜の受容体は速やかに代謝されるものであり、シナプスの伝達特性は受容体遺伝子を外来性に導入することにより、容易に変え得ることを示している。
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