研究課題/領域番号 |
10156233
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
福田 敦夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50254272)
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研究分担者 |
西野 仁雄 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (60073730)
内田 勝久 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10168693)
鮫島 道和 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (80135251)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 細胞内Cl^- / Cl^-輸送体 / MEQ / 光学的測定法 / 大脳皮質 / GABA / NKCC / KCC |
研究概要 |
1. MEQ(6-methoxy-N-ethylquinolinium iodide)を負荷した生後0〜28日齢の大脳皮質スライス標本から神経細胞を同定し細胞内Cl^-濃度([Cl^-]_i)の記録を行った。nigericin、tributyltinによるin situでのCl^-濃度固定法を行い、standard curve(Stern-Volmer Plot)を作成し、異なる細胞間での[Cl^-]_i変化を比較した。生後10-15日の大脳皮質各層の錐体細胞の[Cl^-]_iに差があるか否かはっきりしなかったが、生後2週齢から3週齢のあいだで、[Cl^-]_iが約25mMから2mMへと激減することが明らかとなった。発達過程でのCl^-平衡電位の脱分極一過分極へのシフトが示唆された。 2. 大脳皮質各層の[Cl^-]_i調節機構の発達過程とその部位差を検討するために、furosemide,bumetanide,ethacrynic acid等のCl^-輸送体/ポンプ阻害剤による[Cl^-]_iのshiftを発達過程の各段階の大脳皮質各層で測定した。しかし、それぞれの薬剤のMEQ測光における干渉度を測定したところ、いずれにも強い光干渉があったため、前処置した標本の[Cl^-]_iを算出して無処置の標本の[Cl^-]_iと比較することとし、現在これを検討中である。 3. GABAの投与によって起る[Cl^-]_i変化を大脳皮質各層で同時測定した。大脳皮質ではその全層においてGABAによるCl^-の出入りが生後1週齢では流出であるが生後3週齢以降から流入に変わることが明らかになった。このことから、生後発達の過程でE_<Cl>が静止膜電位よりも脱分極側から過分極側へとシフトしていることが示唆され、メカニズムとしてCl^-汲み出し機構の発達あるいは、Cl^-取り込み機構の退行が考えられた。 4. 外向きCl^-輸送体のKCCl,KCC2及び内向きCl^-輸送体のNKCCl,NKCC2のプライマーを合成し、RT-PCRによってこれらのCl^-輸送体mRNAの大脳皮質での生後の発現変化★みたところ、NKCC2はラット大脳皮質には発現しておらず、KCClとNKCClは生後一定の発現量をしめしたが、KCC2には発達とともにその発現量が増加する傾向がみられた
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