研究課題/領域番号 |
10156235
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
能瀬 聡直 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (30260037)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / 神経-筋結合 / 神経回路形成 / 神経認識 / Capricious / 神経生物学 / 軸策誘導 / シナプス形成 |
研究概要 |
我々は比較的構成が単純で、遺伝学的アプローチが可能なショウジョウバエ神経-筋結合をモデル系として、神経特異認識に関与する分子の同定、機能解析を行っている。本研究においては、昨年度に引き続き、LRRファミリーに属する神経認識分子、Capricious(CAPS)に関する研究を進めた。これまでの機能欠失型変異体および筋肉における異所発現体の解析から、筋肉上でのCAPSが、標的認識分子として機能することを示した。しかしながら、神経側でのCAPSの機能については、不明であった。そこで、本年度計画では、CAPSをすべての神経細胞で異所(過剰)発現し、その効果を調べた。また、神経、筋肉におけるCAPSの機能と細胞骨格系、シグナル伝達系との関連を調べるため、細胞内領域を欠失したCAPSの機能を解析した。 (1) 神経側におけるCAPSの異所発現 CAPSを神経細胞全体で異所(過剰)発現し、その神経-筋結合形成過程に対する効果を免疫組織学的に調べた。その結果、筋肉12を支配する運動神経(以下MNl2とよぶ)の走行に異常が検出された。このことから、神経側でのCAPSの発現量の変化が軸策走行のパターンに影響を与えることが明らかとなった。 (2) CAPS細胞内領域の働き CAPS細胞内領域の働きを調べるため、細胞内領域を欠失したcaps cDNAを神経全体あるいは筋肉全体において発現させた。神経全体で発現させた場合、上記と同じMN12の走行異常が観察された。このことは、神経側でのCAPSの機能は細胞内領域を必要としないことを示唆している。これに対し、筋肉側で発現した場合は、完全長のCAPSを異所発現させた時にみられるようなMN12の標的支配の異常は観察されなかった。このことから、筋肉上でのCAPSの標的認識分子としての機能は細胞内領域を必要とすることが明らかになった。
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